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#172 社会福祉士(民報サロン第6回)

2020.4.22 福島民報 民報サロン第6回 全文
「社会福祉士」

「社会福祉士ってどんな仕事ですか?」とよく聞かれます。

社会福祉士の目的は、社会の中で、人々がより豊かに生活してもらうことです。

そのために、人々に寄り添うこと、社会に働きかけることを行います。

虐待防止・就労支援・権利擁護・孤立防止・生きがい創出…それらの諸課題に取り組む専門職、というのがざっくりとした概要でしょうか。

なぜこんなにも抽象的なのかというと、行うことの幅がものすごく広いからです。

そのため、僕は社会福祉士を職業としてではなく、役割として捉えています。

では、社会福祉士の役割とは?

ここからは僕の所見です。

社会福祉士は、まず主役にはなり得ません。

主役はあくまで、その社会福祉士が関わる「人」です。

その人自らが抱える問題を直視し、自らが解決の主役となり、自らが生き方を選択する。

そのプロセスにおいて、時に傾聴し、時に選択肢を示し、時に背中をそっと押す。

その人の自己実現のために必要とされるものが地域にない場合、それを作るべく社会に働きかけます。

人生の主役は自分自身。

それを人に伝え続け、主役として魅力的になってもらうためにサポートに徹する。

そんな役割を社会福祉士は担っているのだと思います。

社会福祉士の役割について、更に一歩考えを深めます。

社会福祉士は、自身の持つ人的ネットワークを駆使して、関わる人々の豊かな人生を演出します。

人と人をつなぐことも、大切な役割の一つです。

僕の周りには魅力的で頼りになる方々ばかりがいます。
このつながりを、関わる人々にもつないでいくことが社会福祉士としては大切なんじゃないかと思っています。

僕が常に心に留め置く言葉を紹介します。

学生時、敬愛する先生に教わったドイツの法学者イェーリングの言葉です。

「法=権利(レヒト)の目標は平和であり、そのための手段は闘争である」。

闘争と表現するとやや物騒ですが、僕はとても気に入っています。

世界一貧しい大統領として有名なウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領は、かつて自由を求め政府との闘いを繰り広げていました。

僕は社会福祉においても同様のことが言えると思っています。

行動しなければ変わらない。

社会福祉の実践とは、幸福を追求するための手段なのです。

新型コロナウイルスの影響で、世の中は急変しています。
今まさに教科書に載る瞬間を生きているのだろうなと感じます。

有事の際には、価値観が変わる。
その後の世の中が変わる。

歴史がそれ証明しています。

今は間違いなく転換点。

社会福祉士として、ブレない信念を持ちつつ、やり方・考え方を柔軟にしないと、これからの世の中に対応できません。

今までの常識が、これから非常識に変わることだってある。
いかに人々に寄り添うか、社会に働きかけるか。

自問自答の日々ですが、こんな自分だからこそできることがあるはず。

考えに考え抜き、人々の豊かな生活のため、実践を重ねていければと思っています。

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次回の記事もどうぞお楽しみに!

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