#164 企業内に手帳保持者が増えることで、障がいの有無に関係なく豊かな社会になるのか?
ノーマライゼーションを推進するために障がい者雇用枠を拡充するという施策に、どこか違和感を感じます。
厚生労働省のHPでは、「障害者雇用対策」として以下のページにまとめられています。
ノーマライゼーションとは、障害の有無に関係なく平等に生活する社会を実現させる考え方を指します。
デンマークのバンク=ミケルセンが提唱しました。
厚生労働省HPでは、障害者雇用施策の根本理念は、この考え方に基づき、「障がいのある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指すこと」と述べています。
そのため、障害者雇用促進法をはじめとした各法律があり、法定雇用率制度等によって、障がいのある方の社会参画を推し進めているわけです。
参考:
障害者雇用促進法
⇨障がいのある方の就業促進に関する様々な制度がまとめられている法律。ジョブコーチについてもここで触れられています。
法定雇用率制度
⇨全従業員のうち、一定の割合は障がい者雇ってくださいねという制度。
法定雇用率の算定のためには、障がい者手帳所持者か否かがポイントです。
つまり、
法定雇用率制度は
目的:ノーマライゼーション
手段:障がい者手帳所持者を雇用する
というわけです。
令和3年3月1日より、法定雇用率が引き上げになりました。
つまり、
ノーマライゼーションを実現させるため【目的】、障がい者手帳所持者をもっと雇用してください【手段】
というわけですね。
さて。
ぼくはこの「目的/手段」に何となくの違和感を感じます。
上記の手段をとった結果、本当にノーマルな状態は築けるのだろうか?
むしろ、より障がいの有無が関係する世の中になるんじゃないかとさえ思います。
そう思う根拠は3つです。
1.雇用率引き上げのゴールが見えない
⇨何%まで上がれば、ノーマライゼーションの実現になるのか???
2.雇用率達成できない企業が公表される
⇨障がい者を雇っていない=悪い企業 なのか???
3.難病の方など、手帳を持っていない就労困難者の存在
⇨雇用率算定は、手帳のあるなしだけで、いいのか???
※ちなみに、障がいのある方や難病の方を雇い入れる場合には、企業は各種助成金を活用することができます。
どことなく法定雇用率制度というのは「障がいの有無」を余計際立たせているような制度に感じないでしょうか。
この違和感を解消する答えが、今の自分には思い付かないのが心苦しいです。。。
仮に、
雇用率達成企業割合が100%になる
※今は50%に満たない
⇨雇用率引き上げが行われる
⇨企業が努力する
⇨再度100%になる
→再度雇用率引き上げになる
⇨….
こんなループになった社会が実現されたとして。
本当に障がいの有無に関係ない共生社会を実現できているのか?
そんな課題意識だけが残ります。
みなさんはどう思いますか?
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