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発酵食で100歳まで生きる

焼酎マイスター養成コースの現状

6月から週に1回鹿児島大学に通い、焼酎マイスター養成コースの講義を受講しています。10年目なので僕たちは10期生となります。
緊急事態宣言の影響、自分の都合もあり最近はリモートで受講しています。個人的な目的は、焼酎の知識を深める事、そして、10期生との親交でした。直接会えない状況下に置いてどのように親交を深めていくかを模索中です。
講義はというと、毎回専門家の方が講義をしてくださるので大変勉強になります。

発酵に関して

焼酎を学ぶ。と一言で言っても500年の歴史があり、とても奥深いもの。
焼酎蔵に勤めて今、思うのは
“飲むのは簡単だが、造るのは大変”という事。
全身の筋肉を使った労働。考えられたオペレーション。五感を使った判断。

知れば知るほど奇跡的に生まれたお酒だと思います。
水をアルコールに変えてしまうわけですから、そんな錬金術みたいな事を実際に目の前でみていると本当に微生物の活動というのは不思議なものです。

そんな奇跡の飲み物には、日本人の食生活に欠かせない発酵が関わってます。発酵って知ってるようで説明するのが難しくないですか?
大丈夫です。講義を受けて、現場で発酵を毎日見ている僕ですら掴めてません笑

発酵の定義

発酵とは腐敗。
この2つの言葉は同じ微生物活動なのですが、人間に利益をもたらすか否かで呼び方が違うとの事です。蝶々と蛾の違いに似てますね、人間が見て綺麗か否か。
発酵の定義としては、微生物が有機物に対して作用し、人間に有益な新たな物質を作り出す事。
食品を発酵させる微生物にはカビ、酵母、最近の3種類があるそうです。
焼酎には麹を作る時に細菌を使い、麹に酵母と水を入れて1次もろみにします。
細菌の役割はお米のデンプンを糖化し、ブドウ糖になります。
デンプンは非常に大きい岩みたいなイメージですね、それを細かく砕いて石にしてあげるのが細菌の役割です。その細かく砕いた石であれば酵母が食べることができ、アルコール発酵をするというのが1次もろみ内で起きている2つの発酵です。ちなみに酵母が石を食べた時にアルコールを発生されるとともにガスも発生させます。このガスは焼酎造りでは空気中に消えていきますが、製品のボトル内に納めたものはシャンパンであり、ビールの発砲となります。

発酵食品の強み

先人は本当によく考えたもので発酵食品は
①腐りづらい→保存がきく、例えば牛乳を発酵させたらヨーグルトになり腐りにくくなります。
②栄養価が高い→原料にはなかったビタミンやアミノ酸をつくりだす。
③美味しくなる→大豆よりも納豆が美味しい
まとめると、原料を発酵すると、保存が効いて、栄養価を向上させ、美味しくなるという事。
発酵大国日本に生まれてきてよかった!ありがとう日本!

焼酎と発酵

焼酎は米麹作りから始まります。
その麹造りに必要なものが種麹と呼ばれる細菌。
その細菌の活動により、酵母という微生物の活動が促進されます。
この米麹というものが日本の風土と歴史が作ったものであり、麹文化のあるアジアでも日本だけ独自の麹を造ってきました。
麹菌と呼ばれる細菌は“国菌”に認定されています。
清酒、泡盛、みりん、味噌、醤油、甘酒、塩麹、そして焼酎に使用されてます。
焼酎にはサツマイモだけではなく、米、そして微生物の生命活動が欠かせないのですね。
原料を育む土にも微生物が関係していると言われます。そして私たちの腸内にも細菌がたくさん活動しています。
もはや人間に益があるとかではなく、人間は微生物の活動、働きによって生かされていると言っても過言ではないです。
目には見えないですが、微生物に感謝です。
そして、この発酵をうまく取り入れて健康な体づくりをし、これからも皆様に美味しい焼酎を提供できるよう労働に精を出します!
年末には、私が初めて造りに関わって焼酎、むろか 八千代伝が出ますのでぜひ1度飲んで見てくださいね!

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