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社会システム破綻の原因

 人は生まれながらにして平等ではないし、平等である必要もないのだが、それと同時に他人の権利を奪うべきでもないということ。
それぞれの分野で一人一人が個性を発揮し、自己実現のために生きることを、他者が介入すべきでもないしそれに対して搾取をする権利などない。
 今現在は不当な搾取と既得権益により、個人の自己実現でさえ足かせがかかる時代である。
 根本的には金銭的理由がほどんどであるが、そもそもの個人の感性や能力を発揮するということに関し、様々な制約がかかっているのが現状である。
 食生活や教育から始まり、あらゆる社会システムが人間としての能力を抑え、平均化された常識を求める構造であるということ。

 「仕事に貴賎なし」との言葉もあるが、まさしく人間一人一人に対し身分などというものは存在するべきではない。それがたとえ国を代表し、政治を担う存在であろうと、コンビニの店員であろうとも。ただそこにあるのは、仕事の内容の違いと責任の重さの違いだけである。
 そしてそれは、個人の人間の中でも細分化され、同一人物でも分野が変われば能力が変わる以上、責務も変化してくるはずである。何かの分野で大成できる能力があれば他の分野でも素養がある可能性はもちろん高いし総合力というものを考えなければバランスは取れないのだが、知らないものは知らないし、できないものはできないのである。
 そのことを勘違いした、経済力や発言力、経歴などを持つ既得権益者が、自らを人の上に立つもの、身分の高い人間であると勘違いすることで、搾取が主体のピラミッド構造が出来上がるのである。
 もちろん、本来は責任の重さによって決まるところの収入であるはずなので、それぞれの立場によって経済的自由度などの違いが生まれ、それが格差と言えるのかもしれない。
 しかしながら、真の平等とは、選択の自由を奪わないことであり、お金を稼ぐ自由も、稼がない自由も存在するべきなのである。
 もっとも、現在の行きすぎた資本主義社会の中においては、拝金思想が社会システムの根幹すらあるべき方向に導いていないということが現状であるから、この社会に生きることを苦手とする人々や職種、インフラ等あらゆるものの自由を奪っている。
 全てを踏まえ、世の中は階層構造であると同時に自由であり平等であるべきであったということである。


 本来社会システムというものを形作るものの原因とは、物事の仕組みについてきちんと考えるという行為そのものであり、個人の単位であればいわゆる賢人などとと言われた層であるはずだ。
 つまり、社会システムの破綻という前提で、責務を負わなければならないのは、本来きちんと物事を考え変化してゆく時代に対し常に新しいものを提供し続けようとする思考そのものであり、本来それらの思考を担うべき人たちの思考力の低下である。
 ものを覚えることと考えることを混同した歪んだ教育と学歴社会が生み出した歪みであるとともに、既知の事実で統計学的な主張のみを繰り返す賢人まがいの知識人たちがいち早く気がつくべき問題であるということ。拝金主義に陥り、金銭によって発言を変化させている者共は言うまでもない。
 言い換えれば今現在世の中には、「哲学者」はほとんど存在せず、「哲学学者」がほどんどであるということ。
 それに併せて問題なのが、分野によりけりであるが、きちんと本来の賢人の話を聞く姿勢を持つということ。有名人は人気者であって、物事を(正しい方向へ)考えることが得意な人とは限らないのである。プロパガンダと個の意見と偏見の区別をつけられる人間がどれだけなのか。
 

 集団の一員であることや協力して大きなことを成し遂げることを否定しないが、新しいものを生み出す力は、集団の一員であることの延長線上には存在しないのである。そのことを鑑みれば、民主主義や政党政治の是非などに関しては言うまでもない。

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