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時計の針はなぜ右回りなのか?

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■時計の針はどちらの方向へ回るのでしょうか?

当たり前すぎてそんな事考えた事もありませんでした。
もちろん右に回ります。

ヨーロッパで作られた時計も、日本で作られた時計も全てが右に回るので(一部逆回転の時計も存在します)、海外で購入した時計をそのまま日本で使う事が出来ます。

■統一されない様々な世界のルール

そもそも世界には様式や方式が統一されてない事は少なくありません。いや、統一されている事がほとんど無い、と言った方が正解かもしれません。

言葉は何千にも分かれ、道路通行には右側通行と左側通行、電圧も100ボルトと200ボルトとに分かれています。
そのため電気製品はそのままでは使えません。
度量衡にも様々な単位が使われていて戸惑ってしまいますが、時計だけは共通です。
しかも興味深いのは、文字盤も針の向きも、特段の取り決めがなされているわけではないのに、世界の時計メーカーが慣習を受け継いでいるのです。

ではなぜ、右回りに統一されたのでしょうか?

■右回りは逆回り?

日常生活では左回りが一般的で、右回りにはあえて「時計回り」という呼称があるくらいです。
因みに小中学校で行われる徒競走のコースは全て左回りに設定されています。
これは人間の心臓の位置から導き出された結果で、右回りで走ると遠心力で外側に飛ばされそうな感覚に陥り、走りにくく感じるからだそうです。

■遥か昔、5000年前・・・

時計の針が右回りに落ち着いたのは、実は時計の歴史が影響しています。

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およそ5000年前、人類が初めて作った時計は太陽の影の位置で時刻を知る日時計でしたが、針の役割を果たす影は右に回り、その文字盤が機械時計に受け継がれました。

■北半球と南半球

ところがこれは北半球だけの事で、南半球に置かれた日時計の影は左に回ります。
地球の北と南で半々ですから、針が右に回るか左に回るのか、の可能性は半々です。

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最初に日時計が使われた時代に、時計を作る文明を持っていた民族は全て北半球に存在していました。

その後南半球でも時計が作られるようになりますが、改めて「時計の針を左回りにしよう」と主張することはなく、北半球で完成された時計の形態をそのまま受け入れたのです。

この様に、時計の文字盤はそれぞれの時代になされた決め事を、忠実に継承してきました。
小さな文字盤には5000年以上の時計の歴史が込められているのです。

■人類と時間の歴史

そもそも人類が時間の概念を必要としたのは、「狩りの時代」から「農耕の時代」に移り変わった時でした。
夏や冬などの収穫に必要な「季節」を知る事から始まり、現代では「3000万年に1秒」の誤差しかない原子時計を作り出せるようになりました。

もう「ロマン」しかありませんね (;^_^A

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いかがでしたでしょうか。
「人生100年時代」とは言うものの、このとてつもなく永い歴史を理解するには、どうやら時間が足りなさそうですね。


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