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映画の感想 「セイントフランシス」

「セイントフランシス」という映画を観る。
主人公のブリジットは34歳で独身。大学を1年で中退しレストランの給仕係として働く。そんなブリジット(どちらかといえば冴えない人生を送る)が子守り(フランシスという女の子の)のアルバイトを経験したことにより、人生を前向きに考えていくようになる。
そんな話だった。
これはよくわかる。ブリジットの気持ちが。
と、ついブリジットと自分を重ねて観てしまった。(わたしは短大中退だ)
他の誰かと比べて自分には何もないという惨めな劣等感とか疎外感に襲われる。
コンプレックの塊のような自分が嫌で仕方ない。いつまで経っても自信なんて持てない。そんな自分を変えたいと望みつつどうしていいのかわからない。
八方塞がりというのか暗中模索というのか。
わたしの34歳の頃を振り返ってみても似たような状況だった。
もしかしたらブリジットより冴えなかったかもしれない。あまりに惨めで消えてしまいたかった。
まず自分がどうやって食べていくのかが問題で、その先の結婚や出産のことなど考える余裕もなかった。それは夢のまた夢のようなことだった。
あの頃もっと真面目に人生を立て直していたなら今頃は.…という思いが今もある。でももう時すでに遅しだ。それに人生に後悔はつきものだろう。(時代が悪かったのか)
とにかく今まで生きてこられただけでも表彰ものなのだと言い聞かせている。

ブリジットは子守りのアルバイトを始めてすぐに予期せぬ妊娠がわかり中絶を選択するのだが、その後に度々不正出血に見舞われてしまう。
ああ、これもどこか似ているなと思った。
わたしの場合は子宮筋腫による出血と貧血に悩まされた。
映画の中の下着やシーツに付いた血を見たら、子宮筋腫に苦しんでいた頃のことまで思い出されてきた。
ブリジットが使う大きなナプキン(長時間用)にわたしもどれだけお世話になったことか。
(そのうち付けるのが嫌になりノイローゼになりそうだった)
ナプキンメーカーの売り上げにも僅かながら貢献しただろうと思う。
女性特有の出血を隠すことなく堂々と描く映画もあまりないのではなかろうか。
出血した時にブリジットが見せるリアクションなど、ああ、これも似ているなと思った。クソっとか、わたしもよく言ったものだ。



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