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電子書籍は作家の応援にならないは嘘だけど・・・

私は電子出版社として自社作品を配信したり他出版社様からのご依頼で編集依頼をうけて作品を作ったりすることがあります。
電子書籍業界の人間だからフラットな視点で見れていないのでしょうか。

先日「電子書籍の購入は作家の応援にならない」は本当? 現役編集者に聞いたの記事を引用RTしている作家様が同調する感じでコメントをしていました。そのコメントにファンの方から「えっ、応援にならないなら買うのやめますね!」とリプを飛ばされていました。
 
それを見て凄くゾッとしました(※別に記事全体に対する批判とかではないです。)

応援の定義が「単行本」なのか「収入」なのか「執筆」なのかで色々と考え方すら変わりそうですが、電子書籍に関しては違法な取組でもなくしっかりと印税もお戻ししており出版社側の職務怠慢系を除いて作家のお役にたてているのではないかと思います。

私は電子出版社で働いており、細かい再販制度や取次と出版社のルールは詳しくはわかりません。
ただ中堅出版社との交流は比較的多いですが「単行本に対する応援」の定義だけみた際にも実際に電子書籍の販売まで想定して単行本化していると編集&営業の方にお聞きしたことがあります(もちろん全出版社が同じではない)


出版社や電子出版社は必要か。

私自身にとっても改善しなければいけないテーマですが業界全体として作品の供給量も多く1つの作品に対して版元側の動きが遅いというのがあると思います。

これを改善しないとそもそも作家と出版社の関係が崩れかねません。
今この業界に不足しがちなのが購入して欲しい人に作品を届けることができないことです。作家と編集者がどれだけ素晴らしい作品を立ち上げても認知されなければ売れることもないわけで。

電子市場としてはある程度、整理されてきたため「売る力」がない会社に関してはどんどん作家と組むのは難しくなるのではないかと思います。

編集者がマーケティングとプロモーションの能力を今後伸ばしていくことができればその作品は尖った作品でも読者の目に届いていくと思います。

それができなければ売れる作家は同人に流れ、電子書籍はオリジナル作品が無くなり紙からの流用のみになるのではないかと戦々恐々としています。

ルパン帝国再誕計画」という取組

最近では森田崇先生がTwitterで「ルパン帝国再誕計画」という素晴らしい取組を行っています。
先生は自身の作品「怪盗ルパン伝アバンチュリエ【著者再編集版】」を三国志等と同じく末永く愛される作品になるという思いから数名のチーム?で動かれていて結果も出していると思います。


2018年から始まっている子供達に人気の戦隊シリーズ。
今回は「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」なんですよね。先生はこれに目をつけて色々な取組をされていますが、今出版社がこれをできないんですよね・・・。

人には得意不得意があります。
これは作家に限らずどの業種でもそうだと思います。

森田先生に関してはセルフプロデュースが得意なのでご自身で動かれていて結果を出しています。こういうのをみていると「あ~・・・」と思います。

本当はこういう取組や動きこそフットワークを軽くして作家の代わりに行う必要があるのではないか。
逆にこういう動きについていけないと存在意義は「お金」以外に何があるのかな。

そういう思考で試行錯誤をしているので社内でノウハウがある程度たまってきたらそのうち公開したいと思いますので何かありましたらTwitterからご質問やご相談はいつでもくださいませ(‾^‾)ゞ


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