見出し画像

養子だと言われた時。

私の実の弟は、私達の両親が離婚した時に、父に引き取られたので、それから一度も会わないまま今日まで来た。
父はその後母には内緒で、親戚と養子縁組をして、弟を養子に出してしまった。
母がこの事を知ったのは、もう全て手続きが終わってしまった後で、母にはもうどうすることも出来なかったとの事。
「そんな事になるんだったら、私が引き取れば良かった。」と今でも後悔している。
弟はその時はまだ2歳。
記憶にある訳も無く、何も知らないまま、養父母に育てられた。
当然私達の存在は知らないままで。
弟は多分養子だと知る機会はきっとあったと思う。
戸籍謄本が必要な手続きが、必ずあるからだ。
弟は当然見るだろう。
どうやってその事実を知ったのか、そこまでは聞いてないけど、きっと戸籍謄本を見て、驚いて養父母に事実を確認したんだろう。
その時は恐らくショックだったんだろうと思う。
自分が本当の両親だと思っていた人達が、実は本当の両親じゃなかったと。
でも血の繋がりより、心の繋がりの方が勝ってたと思う。
紛れもなく親子だったのだから。
ただどういういきさつで養子縁組になってしまったのかは、養父母も亡くなり、当事者の父も亡くなってしまった今、確認のしようもない。
弟は私達の存在も知り、更に動揺はしたけど、今は何十年ぶりかの電話で交流をしている。
いつか私にも母にも会いたいと言っている。
その日が来るのが、私は楽しみにしている。

宜しければサポートをお願いします。サポートのお金は、クリエイターとしての活動費に使いたいと思っています。応援宜しくお願いします。