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【第4回】疑義照会 問題 〈消化器内科:逆流性食道炎編〉

 みなさんこんにちは、今日は消化器内科で逆流性食道炎の患者さんについて考えてみましょう。
 これはたまたま、今日患者さんの指導に行った際に本当にあった話です。患者様からは大変感謝されました。病院で調剤薬局で貼った手帳シールから気づいた話です。
 ※疾患や処方内容は架空です。


 第4問

 消化器内科 75才 男性 身長162㎝ 体重55㎏
 検査値 WBC:5000 GOT:18 GPT:15 sCre:0.88 CRP:0.02

 現病歴
 今日はいつもの点滴をしに外来へ。最近胃液が逆流しているようで、口の中がすっぱい。ちょうど昨日かかりつけの先生から胃薬を増やしてもらった。吐き気などはない。
アレルギー歴:花粉症
既往歴:脳梗塞、ヘルニア

 かかりつけ医院。手帳の処方内容。
Rp1.クロピドグレル錠75㎎ 1錠 1日1回朝食後 60日分
Rp2.キャブピリン配合錠 1錠 1日1回朝食後 60日分
Rp3.タケキャブ(ボノプラザン)錠20㎎ 1日1回 朝食後 60日分
 ※(今回タケキャブを10㎎→20㎎へ増量した)

さてこれであなたなら疑義照会は何をしますか? 

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 ヒントは、薬をよく見てみよう!


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 かかりつけ医院。手帳の処方内容。
Rp1.クロピドグレル錠75㎎ 1錠 1日1回朝食後 60日分
Rp2.キャブピリン配合錠 1錠 1日1回朝食後 60日分
Rp3.タケキャブ(ボノプラザン)錠20㎎ 1日1回 朝食後 60日分
 ※(今回タケキャブを10㎎→20㎎へ増量した)
 ※他内服複数


 答えはここですね。
 キャブピリンとは何でしょうか? それはアスピリン錠とタケキャブ錠10㎎の配合錠です。この時にあれ? タケキャブ別で処方されているぞ! と思わないといけません。それでも前回は合わせて20㎎なのでまぁ問題はないのですが(だったらアスピリン錠とタケキャブ20㎎処方でいいのでは? とは思いますが)、今回増量したことで全部でタケキャブが30㎎の処方となってしまっています。
 これは明らかな投与量オーバーです。
 おそらく調剤薬局さんは増量していることを見落としていたのかもしれません。すぐに調剤薬局に問い合わせしてかかりつけ医に確認してもらうことになりました。ただし訴えは胃酸が逆流していることなので別の胃薬が処方されることを願ってはいますが。

 自分の病院の処方でなくても気づいたときは対応することも患者様のためです。確かに胃薬を多く飲みすぎたところでという考えもありますが、胃薬は意外と肝機能障害も起こしやすいので確認は必要です。
 早めに気づけて良かった症例です。
 今日は少しイレギュラーでしたが、是非参考にしていただければ幸いです!

 ではまた! 明日もぜひ見て下さい。

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