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人魚という名の殺人者… 映画『マーメイド・イン・パリ』 ~映画イラスト~


マーメイド・イン・パリ(2020年製作の映画)
Une sirène à Paris/Mermaid in Paris上映日:2021年02月11日製作国:フランス上映時間:102分

マーメイドインパリ

古今東西で何度となく語られてきた「人魚」。

日本だと、日本書紀に書かれている619年に滋賀県あたりで発見されたのが一番古い記録らしいです。

日本の人魚はそもそも人面魚的なフォルムだったのが、
江戸後期あたりに西洋式の「上半身美女+下半身魚」に変化していった、とのこと。

話を作る人も人面魚よりは西洋型人魚の方がモチベーションが上がったのでしょうね。

江戸時代には富山県あたりで「角を持った全長11メートルの人魚を人々が450丁もの銃で撃退した」らしいですよ。

人魚の出現は吉兆でもあり、もし殺してしまった際には厄災に見舞われる、と。
神的な存在ですね。

人魚の肉を食べると不老不死になる、というのもめでたいような恐ろしいような設定もあります。


この『マーメイド・イン・パリ』では


というように人間が自由に想像し、崇め、畏れてきた人魚。

『シェイプ・オブ・ウォーター』では現代社会の差別のメタファーとして登場し、
大ヒット&映画賞総ナメという快挙でした。


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『マーメイド・イン・パリ』→http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2635


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からの、この『マーメイド・イン・パリ』。

ロマンティックコメディの体裁をとっていますが、
かなり現実的な話だと思いました。

人魚の歌を聴いた男は「恋に落ちて死ぬ」という古来の設定を活かしていますが
これが現実社会で行われたらどんな展開になるのかってことですね。

殺人ですもんね。。
その家族からしたら悪魔ですわな。

主役の男、ガスパールにはこの人魚の歌の殺人攻撃は効かない。
なぜなら失恋の痛手によって心がすでに死んでるから。

人魚としてはサッサと海に帰りたいんだけど
ガスパールは人魚のケガが治るまで家にいたほうがいいってことで家に軟禁。

その間に男と人魚は心が通じ合っていくけど

隣人(ロッシ・デ・パルマ、最高!)やら
人魚を捜索する女医(ロマーヌ・ボーランジェ!懐かしい!)やらが出てきて人魚出現事件はおおごとに。


飛び出す絵本演出やストップモーション


飛び出す絵本演出やストップモーションなどのイリュージョンにも手作り感が可愛いですし
この映画を覆う現実感を邪魔していない。

テンポもバランスもいいですし、
何かが飛び抜けてめちゃくちゃいいかと言われると、、あれなんですが、、
ちゃんとした佳作映画として良いものだと思います。

102分だし。



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『マーメイド・イン・パリ』→http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2635

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