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ラストネタバレあり 〝女同士のプライドを賭けた戦い!〟映画『Wの悲劇』 ~映画イラスト~



原作小説『Wの悲劇』

原作小説『Wの悲劇』は別荘での殺人事件の話。アガサクリスティ的なヤツ。

この映画版は、その『Wの悲劇』という舞台を演じる劇団の話なんですね。

薬師丸ひろ子はそこの新人女優。
そのライバルが高木美保。
三田佳子はそこの看板女優。

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四コマ映画『Wの悲劇』 http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2515

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なかなかいろんなことがパワフルにスピード感を持って展開していきますよ。
108分にまとめられてるのはすごい。
ネチネチ引っ張るところとササっと過ぎ去るとこの差がすごい。(劇中劇の『Wの悲劇』のラストの雑さよ…)

とにかく三田佳子の美しさと面白さ

が物語の推進力ですし、この映画の真の魅力となっていますよ。
ほんと面白い。何回も笑ったわ。。

車から出てくるだけで面白いし、
化粧落としながらスタッフに「お疲れー」って言うだけなのに面白いし、
高木美保を鼻で笑うのももちろん面白い。

パトロン腹上死(久々に聞いたこの言葉)事件の直後の長回し&長台詞はほんと名シーン。

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WはWomanのこと。


つまりタイトルは『女性の悲劇』ってことになりまして、女性差別、ウーマンリブの視点がこの映画の核心ってことになるのでしょう。

この映画に出てくる女性たちの「濃さ」に比べると
男たちは一様に薄っぺらい。

こんなにも男たちは薄っぺらいのに


結局は男性の視点で消費されて
結局は「女同士の闘い!」ってことで矮小化されてしまう。

男一人一人の存在感は薄いけど
「男の支配」っていうのは見えないところで大きく覆いかぶさっている。(存在感ないのにあのパトロンは〝スター女優との最中に腹上死〟というロマンを叶えている)

っていうようなことについて、批判的に描いている、と、言えなくも、ない、、かな。。

古代ローマで剣闘士(グラディエーター)たちが円形闘技場で戦わされてるのを観て楽しむかのように
「女同士のプライドを賭けた戦い!」っつって上の方から楽しく見物する観客自身を批判している映画、

だと捉えるとなかなか深みのある、これからも残っていくであろう映画だと考えることもできますかね。。

ネタバレは以下に。







三田佳子(羽鳥翔)
薬師丸ひろ子(静香)
高木美保(かおり)
世良公則(森口)

羽鳥のパトロン腹上死事件の身代わりとなった静香。
なかなかのスキャンダルと背負った静香はそれだけマスコミからも注目を集める。

約束通り、羽鳥は
『Wの悲劇』の主役を演じていたかおりを主役から下ろす。

かおり、泣く。

静香は主役を見事に演じ、観客からは拍手喝采、団員たちからも大絶賛!

その公演の終わりで楽屋裏から帰ろうとする静香。
マスコミやファンが押し寄せてフラッシュをパシャパシャ浴びる。
スターになるんだわぁって感じで気持ち良さそうな静香。

そこにかおり登場。
「全部聞いたわ。翔さんの身代わりになって私の役を奪うなんて!許せない!」と激昂。
ナイフを握って静香に向かって一直線で走る。

そこに花束を持った森口が駆け寄る。
かおりのナイフは森口の腹に刺さる。

警備員はかおりを連れ去る。
どういうわけだかマスコミやファンも去る。
腹を刺された森口を早く誰か病院に連れて行ってあげて欲しい。

パトロン腹上死事件の真相を知っているのは羽鳥しかいない(はず)なので、羽鳥がかおりにチクったのでしょう。

先ほどの舞台で静香が喝采を浴びているのを羽鳥がつまんなそうに観ているカットがあったので、「役は振ってやったけど、そこまで喝采浴びてんじゃねえよ」って思ったんでしょうね。

でもそれを聞いたかおりが静香を殺そうとしますかね。。

後日。

静香は引っ越し。
怪我が治った森口と再会。

もう女優の心になってしまったしこれからもコツコツと女優をやっていくしかないと静香は森口と別の人生を歩むことに。

バレエの最後の挨拶のように、スカートの裾を両手で掴んで、左足を前に右足を後ろに。
涙を浮かべながら笑顔。
森口、拍手。

カメラが静香の顔にズームアップ。
「え、この顔でいいの??」と思う表情でストップ。

ユーミン作詞作曲薬師丸ひろ子歌唱の「Woman "Wの悲劇”より」が流れ始める。
エンドロール。
画面は最後まで静香のアップのまま。

おわり。

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四コマ映画『Wの悲劇』 http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2515

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