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これオススメです 映画『夜明けの夫婦』 〜映画感想〜

夜明けの夫婦(2021年製作の映画)
上映日:2022年07月22日製作国:日本上映時間:135分
監督 山内ケンジ
脚本 山内ケンジ
出演者 鄭亜美 泉拓磨 石川彰子 岩谷健司 筒井のどか 金谷真由美 坂倉奈津子 李そじん 吹越満 宮内良

面白かったぁ。悶えるほどに笑ったシーンもあるし、ずっと面白かった。


「映画らしさ」とか「リアルさ」に閉じ込められてない、演劇的な自由さがあるのが本当にいい。

監督が劇作家でもあるんですね。自分の劇団(城山羊の会)も持っている山内ケンジ監督。

終盤の、夢と現実、恐怖と安心が入り混じった演出が本当に素晴らしい。
「作り物・フィクション」を観れてるなぁと思う。
そしてちゃんとした作り物には人間の本質みたいなものが透けて見えてくる。

嬉しいなぁ、こういう創作。
人間そのものじゃないのよ。

***

カットの切り上げが面白い

カットの切り上げっていうのかな。
カットが切れるタイミングが面白い。

予測できないところでバンッと切れて面白い。
笑いが起きる装置にもなるし、ドキッとさせられる。


長回しとカメラ固定

会話シーンが多くてそれがほとんど長回し。
カメラも固定。アングルも変わらないし画角も動かない。

緊張感と妙なおかしみもあるし、流れが生まれないのでどこでこのシーンが終わるのかが予測できない。

下手な人たちがこれやると死ぬほど辛いんだけど、、、、、やはり演出も演技も素晴らしいんでしょうね、ずっと面白かったんです。


演技が素晴らしい

城山羊の会に馴染みのある俳優さんが多く出演されている模様。
(城山羊の会には劇団員という制度がない?)

鄭亜美さん

妻役の鄭亜美さんはこれで大ブレイクするんじゃないですかね、映像の世界で。
使いたいでしょ、どんな役でも。主役もアリなのは今作で証明されたし、飛び道具として唯一無二の個性もあるし。

声小さくて小刻みに震える子鹿演技だけじゃなく、
夫を責める時とか、同じ韓国の女友達と密接に会話する時とか、義父との妙な空気とか、
その都度違っていて演技を見ているだけで楽しい。
そしてそれは人間の多面性を表現することにもつながってる。
最高じゃないの。


石川彰子さん

義母役の石川彰子さん。ご本人は40歳なんですね。どう見てもカツラにしか見えないし60歳以上に見せたいんだろうけど全然見えなかった。

それもちょっと面白かった。演劇的な匂いがする存在。

リベラル派としてデモなどに参加するような人物なのに自分の嫁には「子供は作らないの?」と言ってしまうし、
孫が欲しすぎてノイローゼになってしまうというめちゃうぜー人物。

どんなに鬱陶しいか。こんな人いたら。。

でもこの義母は愛らしい。
孫を欲しがっちゃう自分に苦しめられているのがわかる。

坂倉奈津子さん

名前忘れちゃったな。
夫の会社の上司役。夫と過去になんかあったらしいし今でも夫のことが結構好きそう。

その恋心が誤作動を起こして夫をじわじわ追い詰めるシーンが本当に面白かった。5人くらい殺して欲しかった。

「意外と外にはゴミ箱ってないもんよ、全っっっ然!」ってセリフ自体も面白いけど、
ちゃんと魂こもって言ってくれるから、意味以上に深い心理みたいなものを表現しているセリフにも聞こえてきた。

岩谷健司さん

岩谷健司さんは僕はゴッドタンの人というイメージ(ごめんない)。
見ない日はないくらいの大活躍をされてますね、映画にドラマにCMに。

今作では、だるだるの初老の男なんだけど、エロスもあって陰ではちょこちょこ遊んでいるらしい。
でも家族には丁寧だし優しく接する。
有害な男性性というのをあまり出してない人物。

途中で犯罪級の酷い暴走をしてアレは擁護できないけど、、、
家族というものをうまく安定させながらも自分は自分で幸せに生きてる人ってのは周りを楽にさせるんですよね。

「こうあらねば!」と自分を締め付けて勝手に苦しんでいる人は、周りも苦しめちゃう。
義母がそういう役でしたね。
自分も周りも不幸にしていく人。

ヌード

映画館でこんなにヌードシーン見たの久しぶりでした。。
一応セックスシーンってことになるのかな、どこからセックスという定義づけが必要かな。

ベッドシーンっていうのかな?
でもめちゃくちゃ裸だし、割と生々しいことをやってるし。

少子化問題を扱うならそこにはかなり高い確率でセックスの要素が出てくるわけで、
そこから逃げずにむしろ必要以上にヌードシーンを出してくるところも
昨今のメジャー邦画に喧嘩売ってる感じがして面白かった。



ラストネタバレは以下に




幽霊みたいなスタンドみたいな不倫女性が夫婦の寝室に現れて、高島屋で買った贈り物を妻の枕元に置く。

その女性は夫と不倫しており、その贈り物は夫にあげたもの。

夫はそれを会社のゴミ箱に捨てて行こうと思ったが、坂倉奈津子さんに阻まれて家に持ち帰ってしまった。

誰もがネクタイだと思っていたその中身は包丁。
妻はその包丁で右手首を切る。

2ヶ月後くらいかな?

夫は転勤先の神戸から一時帰宅。
妻は右手に包帯を巻いている。

義母「私も死んじゃおうかなとか思ってたけどサキさんの見てそんな気無くしちゃった。だってすごい血の海よ。だから、ありがとう。」

シャンソン歌手のライブに家族みんなで行く。

義母は幻影を見始める。
ここにいないはずの妹がいたり昔の生徒がみんな子供を連れてきてたり、家族たちが全裸になっている。

その夜?翌朝?
妻と夫のセックスシーン。
ずっとEDだった夫が今回は元気っぽい。
膣内射精完了。
妻の顔にズームアップ(←ふざけてて最高)。

おわり

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