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終盤での大爆発はまさに痛快 映画『辻占恋慕』ラストネタバレあり

辻占恋慕(2020年製作の映画)
上映日:2022年05月21日製作国:日本上映時間:111分
監督 大野大輔
脚本 大野大輔
出演者 早織(小出早織) 大野大輔 濱正悟 加藤玲奈 川上奈々美


良かったぁ。この2人をずっと見ていたかったし、
終盤での大爆発はまさに痛快。

痛い!快(こころよ)い!痛い!不快!痛い!快い!痛い!不快!痛い!快い!痛い!不快!

の無限ループ。
結局涙出てきた。

信太、韓国映画の連続殺人犯顔なのはお前の方だよ。
叫びながら自分でわかったんだよね。

切ない。


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「何者かになろうとしてたオレたち」をナルチシズムいっぱいに美しい映像で描いて「エモいエモい」と話題になってた映画がありましたが、、、

今作は客観的な視点でクールで、それいで痛々しくてリアルで、温かくて自由な映画でした。

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早織さん目当てで見ました。


早織さんは『百円の恋』のお姉さん役で印象的でした。
すごい女優さんじゃん、とその時から。

で、近年はヨーロッパ企画の映像や舞台で大活躍されていて、僕はほぼもれなく観てます。
AI棒や妖気保安協会、もちろん九十九龍城も。

ヨーロッパ企画の早織さんはほんわかした役が多いけど、
今作ではキリッとした強さと壊れてしまいそうな弱さを抱えた複雑な役でしたが、
「やってます感」ない自然な演技で素敵でした。


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伏線回収って言っちゃうと臭くなるんだけど、


いろんなアイテムや言葉が終盤で再登場して可笑しかったり切なかったりしました。

コメディ感も良かったです。
映画の外に視点があることがわかって、客観的に人物が描かれているので押し付けがましくなかったです。


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主演の大野さんの役は監督自身なんだろうなと思っていたら


大野さん自身が監督やってたんですね。

監督原作脚本主演映画なんだ。
あの叫びと反省はご本人そのままなのかな。

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ラストネタバレは以下に。



信太はミスしましたね。

そもそもあのスタンガンは正当防衛じゃないから傷害罪にあたるし、
あのマイクパフォーマンスは誰一人幸せにしない。みんな不幸になる。。

しかも信太は映画館の客席の我々に向かって叫んでる構図になるわけです。

元AV女優の川上なな美さん(素晴らしい演技と歌唱とダンスでした)が出演してるこの映画を観にきた観客に向かって「お前らどうせズリネタにしてんだろ!」と罵声を浴びせる。。

やめといた方がいいに決まってる。。
だけど言いたかったんよね。。

信太は失敗した。間違えた。
ゆべしだって望んでなかったはず。

だけど誰だって失敗するし、間違えるし、我慢できず間違ったことしたいときだってあるもんね。。

でも「信太、その気持ちわかるよ」なんて声かけたら「うっせー馬鹿野郎!!!」って怒鳴られそう。。

**

ラスト。2021年。コロナ禍。

大声で楽しく歌えるはずのカラオケ店の中でマスクをして働く信太。

段ボールの中から抜け出して畦道をノーマスクでのびのびと歌うゆべし。

対照的な2人。

コロナ禍を描いた映画は多いけど、
その中でもコロナ禍時代を描いた時間が最も短い映画だったんじゃないでしょうかね。

ラストだけですもんね、コロナ禍は。

だからなおさらカラオケ店でもマスクはショックな映像でしたね。。

顔のほとんど隠してんだもんね。
大声出すなって言われてんだもん。。

からの、ゆべしの「辻占恋慕」の歌唱。
素晴らしい。


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