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サーミの血  ネタバレ&あらすじ (2016年製作の映画)

サーミの血(2016年製作の映画)Sami Blood/Sameblod


バーカバーカバーカ!おれのバーカ!
なんでこれを公開当時映画館で観なかったんだ!
愚かな我よ!

サーミの血

四コマ映画『サーミの血』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2542


必見!傑作!びっくり!素晴らしい!


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アナ雪にも登場したサーミ族。

昨日見た『クロース』にもサンタクロースに仕える妖精としてサーミが登場してました。

サーミ族というのが北欧でどういう立ち位置なのか知らなかったので
傑作と聞きつつも覚悟ができてなくて見ていなかった『サーミの血』を観ましたよ。


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まぁ映画は素晴らしいんで、みなさん観たらいいんですが、
それはいいんですが、

日本もアイヌや琉球民族や朝鮮民族にしてきた同化政策の映画を撮らなきゃダメでしょ。

んなもん撮る金ないって?
じゃ助成金出しゃいいでしょうよ。
文化でしょうよ。
何のための助成金よ。


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さて。

サーミ人がいかに差別を受けてきたかよくわかります。

教師は「サーミ人はスウェーデン人よりも学力が劣っている。あなたたちの脳は文明に適応できないという研究結果がでている」と平然と言う。

臭いだ、汚いだ、野蛮だ、のと自由にみんな差別する。

優しく接してくれる人もいるが
そういう人たちは「サーミ人」を文化人類学的な対象として
研究対象として見ているだけ。


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エリを演じるレーネ=セシリア・スパルロクさんの演技が素晴らしい。

レーネさんも南部サーミ人で、しかもトナカイの飼育もしているとのこと。

しかもあんな迫力の演技。
繊細な演技。
そりゃ演技賞バンバン獲るわ。。


妹(実の妹さんっ!)はじめ、みなさん演技が素晴らしい!

四コマ映画『サーミの血』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2542


あらすじ、ネタバレは以下に。







老女。
名前はクリスティーナ。

車で、サーミの歌を聞かされる。
「ママの故郷の歌だよ」と息子。
後部座席に孫娘。

「私はあの人たちと無関係よ。あの人たちは嘘つきで物盗り。口を開けば文句ばかり」とクリスティーナ。

車は葬儀場に着く。
「母さんの妹の葬式だよ」と息子。
しぶしぶ葬儀場に入るクリスティーナ。

参列しているサーミ人たちはクリスティーナに厳しい視線を向ける。

民族衣装を着ているサーミの人たち。

「なぜ来なかった?彼女はあなたのために毎年トナカイにマーキングしていたのに」とサーミ語で話しかける司祭らしき男性。

「サーミの言葉はわからないわ」
「わかってるだろ」

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孫娘の名はサンナ。

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親戚の家に泊めてもらうことになっていたが
クリスティーナだけはホテルに泊まることに。

クリスティーナはスモーランドというとこで教師をしていた。
今は引退。

ホテルのロビーで女性客たちと会話。

「サーミの人たちって自然を大事にするかと思っていたけど」
「自然保護地区なのにどこでもバイクで乗り付けて」
「トナカイを連れて」
「うるさいわ」とホテル客たちは話している。

クリスティーナ、ただ聞いている。

**

ホテルの部屋に息子が来る。

「母さんがこないとバツが悪い。これからトナカイのマーキングをするんだ」と息子。
「ぼくはサーミ語がわからないし」

諦めて去る息子と孫娘。

**

ホテルのクラブ。
爆音が鳴る。
窓の外にはヘリ。
息子と孫娘がヘリに乗りこむ様子を見る。

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回想シーン。
1930年代。

エリ・マリャ。
クリスティーナの本名。

草原でテント生活しているサーミ族。

子供のトナカイの耳を切る。
「これであなたのトナカイよ」

サーミ語を話したがらないエリ。
「サーミ語を話しなさい」と母。

「クリスマスなんてすぐよ」と祖母?
「これはお前の父のマーキングナイフだ。」と祖父らしき男性が小さなナイフをエリに渡す。

「お前の母は生活で手一杯だ。少しの間だ。戻ってくるよな?」

「もちろん」とエリ。

エリと妹は小さな手漕ぎボートで川を渡る。
「寄宿学校では行儀良くしなさいよ」とエリが妹に。

「ヨイクを歌えば心は帰れるわ」
妹のためにヨイクを歌う。笑顔になる2人。

「学校で歌っちゃダメよ」

クリスマスまで寄宿学校に預けられる2人。

**

ひたすら森を歩く2人。

寄宿学校に近づくと学生が2人に言う。

「ラップ人だ!くせえ。不潔な奴らだ。仕留めれば賞金がもらえる」

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サーミ語は禁止よ、ここではスウェーデン語を!と女性教師に手をぶたれる。

サーミの人たちを集めたクラス。
20人程度。

キリスト教の歌?を歌わされる。
知らないとぶたれる。

スカンジナビア半島の北部のラップランドの先住民サーミ族。
ラップ人と呼ばれたりもする。

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クラスの担任に呼ばれるエリ。
「コーヒーでもどう?」

スウェーデン語を話せるエリに担任は期待をしている。

担任はエリに本をあげる。
「私が期待する国はどこにもない。飽きるほど渇望する」と読む。
「ステキでしょ」と担任。

ウプサラの本。
ウプサラとはスウェーデンの都市。

「教師になるにはどうしたら?」
「知識が必要よ。広く浅く。」

**

妹がヨイクを歌う。
「エリがスウェーデン語を喋ってる〜」
「やめて(笑)」

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2人を威嚇する若い男たち。

「あなたたちにも客が?まさかね」とエリ。

**

サーミ族の子供たちに偉い感じの大人が訪ねてくる。
自分たちに会いにきてくれた客。
エリたちは嬉しい。

綺麗な衣装ね。髪も綺麗。
写真を撮ってもいい?

個人としてではなく珍しい文化のひとつとして扱われていることに違和感を感じる子どもたち。

保健室的なところで
下着姿にさせられて
頭蓋骨のサイズを測られる。

口の中を雑に見られる。
「欠損なし」
目や鼻のサイズを測られる。
肌の色も。

「下着を脱いでベンチに立って」
「エリ、みんなの手本になりなさい」と担任。

服を脱ぐ。
「手を頭の上に置きなさい」

全裸になり、写真を撮られる。

窓の外から男たちが覗いている。

「スモーランド出身?いいところよね」

全員、裸で写真を撮られる。

**

「見ろよ、サーカスの動物だ!」
「下等な動物だ!」
と男たちに罵倒される。

「取り消しなさい!」と男に殴りかかるエリ。
マーキングナイフで脅す。

男たちに抑えつけられる。
「あなたたちにもラップ人の血が流れてるでしょ!」

男たちはマーキングナイフを奪って、エリの耳を切る。
トナカイ(動物)と同じ扱い。

**

翌日。

干してあるスウェーデン人のワンピースをコッソリ着てみるエリ。

森から軍人たちが出てくる。
「君、これからパーティーへ行かないか?」と誘われる。

サーミの服を脱いで
ワンピースで軍人の後を追うエリ。

妹が追いかけてくる。
「戻って!」と妹。

妹を森に隠すエリ。

パーティー会場に着く。
池で体を洗う。
匂いを消すため。
執拗に洗う。

さっき声かけた軍人に声をかける。
誰もエリをかまってくれない。

仕方ねぇなって感じで1人の軍人がエリをダンスに誘う。
はじめての都会の男。
胸に手を置き、顔を埋める。

タバコをすわされる。
「君の名前は?」
「……クリスティーナ。あなたは」
「ニクラス・ウィガンダー」
「ステキ」
すっかり夜。

「散歩する?」
「散歩して何するの?」
「君の経験?」
「人から聞いたわ」

小屋に入ってキス。

**

「エリ・マリャ!」と妹がパーティー会場に。
教師も。

「汚いサーミ人ね!」

連れ戻されるエリ。

ワンピースを脱がされサーミの服を着させられる。

尻を出させられて鞭で何度も打たれる。

**

就寝。
妹(ニェンナ)に
「私はここにいられない」と告げる。
妹は寝たふり。

**

ウプサラの地図を見るエリ。

「彼氏ができたんでしょ」とニェンナ。
他のサーミの子たちもエリから距離を置く。

「ウプサラの高校に進学したいんです」と担任に言う。

「この学校の子は進学できないの」
「スウェーデンの子と学力が違うの」
「あなたたちの脳は文明に適応できないという研究結果が出てるの」
「家族の元に帰って文化を守るのよ」

「戻りたくなかったら?」
「……協力できないわ」

**

「姉さんは鼻つまみ者よ。スウェーデンの男のところへ?自分のことばかり。」とニェンナ。

「あんたはバカなラップ人よ。脳みそが小さくて将来を考えられない」とエリ。

涙を流すニェンナ。

**

走るエリ。
電車に乗る。
寝台列車の通路に座っている。

サーミの服を着ているエリを訝しく見る客。

寝ている女性客のカバンを盗む。
駅に着き、
サーミの服を燃やす。
カバンに入っていた女性客の服を着る。
黒のワンピース。

**

ウプサラの街。朝。
美しい街並み。
美しく整えられた庭園。

フフフッてな感じのエリ。

二クラスの家を訪ねる。
美人で都会的な母が「二クラスはスナーケスよ」と。

スナーケスの意味がわからない。

「二クラスが家に来るようにと。泊まっていいよと」とエリ。

困惑しながらもなんとなく事情を察知しエリを家に入れてあげる。

「私はエリスよ。そう呼んで。ちょうど食事してたの」

めちゃ美味しそうな朝ごはん。
二クラスの父と母と3人でテーブルに着く。

名前は?
クリスティーナ。
二クラスとは?
ウデンのダンス場で。
夫もスモーランド出身よ。
ご家族は?

「スモーランドを転々と…」とエリ。

あ、やっぱサーミ人、と理解する2人。
表情には出さない。

**

食べたことのないようなケーキを出される。
母は白ワインを飲んでいる。
父は後ろで黙っている。

夜。
ベッドで寝るエリ。

**

二クラス帰宅。
エリは寝たふり。

「誰?」と母に聞く二クラス。
「クリスティーナとか」と母。
「誰だっけ」
「勝手に人を招かないで」

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その夜、
窓辺でタバコを吸ってる二クラスにエリが話かける。

エリ「2、3日泊めて」
二クラス「いいけど…」

キス。
からの初体験。

指についた精液を二クラスの胸に塗るエリ。

「耳の傷は?」
「ただの事故よ」

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電話。
ガラスの食器。
ピアノ。
楽譜。
文明に触れるエリ。

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翌朝。
「二クラス来なさい」と父。

隣の部屋でコソコソ話す。

「あの子が妊娠したらどうするの?」
「あの子は何しに?何か魂胆があるのかも」
「別れの挨拶をしてこい」
「故郷に帰れば暮らしていけるわ」
「彼らには彼らの仕事があるわ」
「彼ら?」
「ラップ人よ」

会話が聞こえていたエリ。

二クラス「来てくれてありがとう。会えて嬉しかったよ。ただ…」

「私を雇ってくれない?メイドとして。掃除でもなんでも」

ドアを開ける二クラス。
去るエリ。

**

公園にたたずむエリ。
耳から血が滲んでくる。

夜。

**

翌朝、学校の図書館へ。

「授業が始まるわよ」
教師に見つかる。

これで何人目?
名前は?
「クリスティーナ・ライレル」
はいはい偽名ね、ってなリアクション。

**

逃げてきた(事情のある)子たちを通わすことができる学校?

いきなり体育的な授業に参加。

音楽なしのメトロノームに合わせて謎こ体操。

「体操の経験は?」と教師。
首を振る。
「エレサに習いなさい」

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口紅をつけた女性。エレサ?

エリに口紅をつけてあげる。
マスカラも。
「ドイツから来たの?」
首を縦に振る。

ドイツからの難民扱いってことかな?
(この頃からナチスが台頭してくる)

エレサ、
エリのマーキングナイフを持って
「これは何のためのもの?もらっちゃおっかな」

エレサを突き飛ばすエリ。
あんた根性あるじゃない的な感じで仲良くなるエレサとエリ。

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スクールカースト上位グループにある入れたエリ。

「何あのダサい服。柄のスカートなんて」と他の生徒を見下すグループ。
一緒になって笑うエリ。

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「クリスティーナ、校長がお呼びよ」

授業料を請求される。

二学期分200クローナ。
現在のレートで日本で2万円。
1930年代の話なのでもっと高い。

**

二クラスのパーティーに入り込むエリ。
スケーナスという言葉を頼りに探し出したかと。

ラップランドから来た子でしょ、
ヨイク歌える?
聞きたいわ。私たち人類学専攻なの。
今日は二クラスの誕生日なのよ。
バースデーヨイクよ。
放牧の歌よ。
いや、儀式の歌だ。

立ち上がるエリ。
ヨイクを歌う。

意外と地味なヨイクで
みんな「あ、こんな感じなの…期待してたのと…」とテンション下がる。

逃げるエリ。
追う二クラス。

「お金を貸してほしい」
「親は」
「死んだ」
「本当?」
「父は死んだ。母は放牧を」
「本名は?」
「エリ・マリャ」

呼ばれて家の中に入る二クラス。

**

エリ、列車に乗る。

ラップランド。
湿地帯を歩く。

家族の元にたどり着く。

ワンピースを着たエリの登場にみんな、ひく。

**

妹と家に入る。

妹を抱えて仰向けにさせる。

キリスト教の洗礼的な儀式。

抱き合う2人。

妹がヨイク歌う。

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二クラスの家でもらったケーキをみんなで食べる。
「クリームが多すぎるわ」

「母さん、話が」
「ここで話して。こんなテントじゃ話せない?」

学校の請求書を母に見せる。
「名前がお前じゃない」
「私はもうエリじゃない。私が相続したトナカイを売って!父の銀のベルトを売って!」

「スウェーデンかぶれが!出ておゆき!」

**

エリ、飛び出す。
トナカイを捕まえてナイフで殺す。

翌朝、母が銀のベルトをエリに授ける。無言。
母、無言で去る。
妹も同様。

**

ホテル。
老女のクリスティーナ。
涙。

ホテルを出て、サーミの葬儀場へ。

棺を開けて、老いた妹の亡骸に語りかける。
「私を許して」(サーミ語)

葬儀場を出て、
崖を登る。

広い大地。
サーミの土地。

放牧で暮らす人たち。

昔と違って
テントの脇にはバイクが並んでいる。
犬も数頭いる。

エリの顔。

終わり。

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