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第94回アカデミー賞国際長編映画賞候補 映画『ブータン 山の教室』

ブータン 山の教室(2019年製作の映画) Lunana A Yak in the Classroom 上映日:2021年04月03日製作国:ブータン上映時間:110分
監督 パオ・チョニン・ドルジ
脚本 パオ・チョニン・ドルジ
出演者 シェラップ・ドルジ ウゲン・ノルブ・へンドゥップ



ううむぅぅぅぅ。。。
これアカデミー賞国際長編映画賞候補ですか。。

これが候補に入って、フランス映画『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』が入らなかったのは無念。。



アジア映画を入れた方がいいと思ったのかなぁ。

監督曰く「この映画の舞台ルナナ村は、ブータンでも一番辺鄙な土地で電気も通っていないため、100%太陽電池を使って作った作品」ってのが、
SDGsポイントを稼いだのかなぁ。


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もちろん自然の画力はすごいし、
巨大黒ヤクが教室にいる画面もパワーあるし
(きっと匂いもすごいんだろうと思います)
おそらくほとんどが現地の人が演じてる説得力もあるし、

IMDbのトリビアによるとあの歯磨きはホントにはじめての歯磨きだったらしい、とか
異文化を知るコンテンツとして魅力的でしたよ。


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ただ、映画としての面白さとか新しさはあまり感じられませんでした。。

異文化交流ならTBS系列の『世界ウルルン滞在記』で観てきたし、

それにさらに素晴らしい映像を保証するBSプレミアムの『世界一番紀行』も観てきたし、

「やる気ない若者が僻地に行かされて当初はやる気なかったけど中盤からやる気出てきた」
というドラマも「もう大丈夫です」っていうくらい観てきました。。


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案内役の男性はワイルドイケメンだし
恋(?)みたいな空気出すヤクの歌歌う女性も映画的な美形でしたし、
生徒役のメインの少女もわかりやすく可愛くて、

なんだかハリウッド的なウェルメイド映画になっちゃったなぁという印象。

教育によって子どもの未来の選択肢を広げるってのはそりゃ大事なんだけど
あんな僻地でも英語を学ばされて
やったことない歯磨きもさせられるのが
なんか同化政策のようにも見えました。

その土地でその文化らしく幸せに生きられたらいいはずなのに
外国語学ぶのが必須ってのはどうなのかなぁと。

数学や社会や国語ならわかるんだけど、英語。。。

(全体的に西洋英語のフォーマットに沿っていたから余計そう感じたのかも)


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もちろんいい映画ではあるけど、

ウェルメイドな『コーダ あいのうた』が候補された部門を全部受賞して作品賞までとった
今回のアカデミー賞だからこそ
この映画が国際長編映画賞の候補になったのかなと思いました。

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