1999年 映画『コキーユ-貝殻-』 当時の男女感色濃く
1999年公開。
多分僕は2000年にビデオで観たと思う。
当時20歳。
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かなり大人の不倫の話なんだけど
静かで語りすぎてなくて好きな映画でした。
「大人になったらもっとこの映画が心に沁みると思う」と当時のブログに書いたのを覚えてます。
で、ふと「もうめちゃくちゃ大人だわ」と思って
23年ぶりに見返しました。
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風吹ジュンの可愛さ(当時すでに47歳!)!
風吹ジュンがやっぱすごいですわ。
この可愛さ、この綺麗さ。
そしてこの人が内包してる〝孤独〟とか〝寂しさ〟が醸し出されてて、とにかく100パーいいですね。
なぜか風吹ジュンって、どんなに幸せそうにしていてもどこか消えない孤独を感じさせる。
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過剰な演出もないし、
割と記号っぽいキャラ付けだったりもするので
実在感とかリアリティが薄くなりそうなんだけど、
風吹ジュンと小林薫の名優2人の
脂ノリノリノリノリ乗り切ってる時期のお姿を観れるのがこの映画の一番のいいとこかな。
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あんまり幸せな人が出てこない映画で
男も女もつらくて
「日本の大人はつらいよ」って感じ。
とくに水商売の女性のセリフが良い。
「この年になると私のような水商売の女は、貯金箱のようなもんさ。
小金が貯まるといつの間にか男がやってきて私を壊してごっそり中身を取っていくんだ。
そうなりゃ私は壊れた豚の貯金箱。
使い物にもなりゃしない。
女がいつまでも一人でいるとそんなことの繰り返しだ。」
男も辛い。
会社に体も魂も奪われながらも家族のために稼ぐことを強いられてる。
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時は1999年。
男女の役割まだまだ今よりも明確に分かれていた頃。
男と女がそれぞれ社会に背負わされてる荷物を下ろしたり
分担したり
そもそも持つ必要がなかったことを確認したり、
しようという発想すらない時代。
あ〜なんて地獄なんだろうとこの映画を改めて観ると思いました。
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だから
ミドルエイジクライシスの大人たちは
初恋の記憶にすがって
不倫に走っちゃうわけね。。
夢のように幸せで儚い時間。
しかも誰も傷つけずに割とうま〜く時間が過ぎていく。
(やってることは用意周到でクソなのだが。。)
幸せであればあるほど不倫の結末には罰が下るものですね。
こんなにも絶対に許されないものなのですね。。
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