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老若男女問わず、多くの人が悩みを抱えている症状の中に『便秘』は上位にランクインしてくるのではないでしょうか。

便秘というと何日も便が出ないということを想像するかもしれませんが、実は出残り便といって、毎日排便がある方でも実は便秘である可能性があるようです。
今日はそのあたりについて、肛門科医の佐々木みのり先生著『痛み かゆみ 便秘に悩んだらオシリを洗うのをやめなさい』という本を紹介したいと思います。

まず最初に便秘に対する誤解からです。
冒頭でも書いたように便秘は何日も便が出ないことと認識されている方が多いと思います。私もそうでした(笑)

しかし佐々木先生によると、毎日排便があっても、出残り便といって、スッキリ便が出ずに残っている状態も便秘であるとのことです。

そしてその出残り便が、痔や痛み、かゆみなどを引き起こしているということです。少し以外ですね。

その原因として、一つ挙げられているのが、温水洗浄便座による影響です。
温水洗浄便座はおしりをきれいにするものとして認識されていますが、実は洗いすぎによる負の影響があるといいます。
特に強い勢いで長い時間、洗浄すると皮膚のバリア機能である『皮脂膜』がなくなり、乾燥や菌に弱い状況を作ってしまい、結果おしりが弱い状態となってしまいます。

もちろん温水洗浄便座だけでなく、洗いすぎることが問題であるため、お風呂で過剰に洗ったり、おしりふきやウェットティッシュなどで強く拭いたり、アルコールで消毒する行為は肛門の状態を悪くします。

このような習慣が引き金になり、出残り便秘が生じ、その結果痔になるケースも多いそうです。

つまり痔を治す場合、手術や薬もありますが、一番は出残り便を少なくすることが重要であるということです。


ではどのようにして出残り便を改善すればよいのでしょうか。

まず佐々木先生が書かれていることは早寝早起きです。
内臓には活発に動く時間帯があり、腸に関しては朝の5時~7時と言われています。
ここに排便を促すためにも、朝起きたら一杯の白湯を飲む習慣をつけましょう。
また早く寝ることも朝の排便を促すためには必要です。

次に体をしっかり温め、冷やさないことです。
内臓の動きを活発にするためには代謝を上げる必要があります。体温が1℃上がるだけでも、免疫力が上がると言われています。
冬だけでなく夏場も冷房などで下半身から冷えるケースがあります。
冷えは血流が悪くなる原因にもなりますし、やはり対策は必要です。
腹巻やレッグウォーマーなどを活用したり、足湯などをして体を温めていきましょう。

次に呼吸です。
呼吸は自律神経を整える上でとても重要です。
特に内臓は自律神経の支配を受けているため、スムーズな排便をするためにはとても大切です。
呼吸する際に意識する場所は、おへその少し下のあたりです。その部分にゆっくり空気を送り込むように呼吸するのがポイントです。
本の中には便秘に効くツボの紹介もあります。

最後に挙げられていることはやはり食事です。
特に本の中ではとくに小麦と乳製品を控えることが紹介されていました。
発酵食品や食物繊維をしっかり摂取することなどが、よく言われると思いますが、不要なものを排除することが先ですので、無理のない範囲で行っていただけるといいかと思います。


いかがでしょうか。
便秘のイメージ、実際、対処法など意外なこともあり、自分自身にも当てはまるものがあったかもしれません。

毎日行うものだからこそ、その習慣がやがて大きな影響を及ぼします。
まずは日常の観察からしていただき、改善に向けて行動をしてもらえればと思います。


参考書籍:『痛み かゆみ 便秘に悩んだらオシリを洗うのをやめなさい』
著者:佐々木みのり