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夜眠れない時は ~原因編~

不眠で悩まれている方は非常に多い印象があります。
もちろん若年層で不眠に悩まされている方も多くおられますが、全体的には高齢の方が多いのではないかと感じます。

不眠の種類や症状はさまざまありますが、今回はそんな症状を和らげる方法を学んでいきたいと思います。

まず不眠の原因ですが、年齢、性別、生活環境、ストレス、疾患などさまざまな条件、要因があり、一言で表現するのは困難です。

強いて言えば、
①自律神経の乱れ
②体の緊張が高くなっている(ストレス)
③活動性の低下
④排尿関係の問題

などが挙げられます。

①の自律神経に関しては乱れる要因がたくさんあるため、数を絞ってお伝えします。

まず自律神経を乱す原因として
・運動不足
・不規則な食事
・スマートフォンやパソコンの長時間使用
・体の柔軟性低下
などがあります。

特に運動や食事などが不足したり不規則になると、内臓の動きが低下します。
内臓の動きが低下すると、ホルモンや血液循環が悪くなるため、自律神経が乱れやすくなります。

またスマートフォンなどを長時間使用することで、交感神経が異常に高ぶってしまい、リラックスをする副交感神経の働きが弱くなってしまいます。

体の柔軟性は特に背骨の動きが悪くなることで、上にも書いているように内臓の動きが弱くなってしまいます。中でも胸椎という背中にあたる部分の動きが重要です。柔軟性が高い人は血液循環もよく、内臓や筋肉の動きも活発であるため、自律神経が整い、活動、休息のメリハリがしっかりします。
つまり良質な睡眠を得られるということです。

②のストレスですが、これは難しい問題で、その人の生活や仕事の環境が大きく左右します。第三者が容易に立ち入る問題ではありませが、ストレスを感じた時の対処法で解決できる可能性はあります。

まずイライラした時などは6秒違うことを考える方法があります。
怒りの感情は常に高い状態にある訳ではないため、最初の6秒を我慢すれば、あとは少しずつ減少していきます。最初の6秒をやり過ごす方法としては、楽しかった旅行や遊んだ日のことを思い出す。好きな物や人のことを考える。深呼吸をするなどです。

そんなことで?と思われるかもしれませんが、怒りの感情は熱しやすく冷めやすい特徴があるため一度実践してみてください。

③活動性や柔軟性の低下は同じ姿勢での作業を続けたり、一日中ゴロゴロしているなど、体を動かすという習慣が無いことを指します。体を動かすということ=運動ではなく、例えば掃除や洗濯などの家事や簡単なストレッチでも十分です。

いい意味での疲労感を得ることで夜眠りにつきやすくなります。

④排尿関係の問題は泌尿器科が専門になります。
当院では木曜日の午後に泌尿器科外来がありますので、気になる方は相談してみてください。
排尿関係の問題は水分の摂取やお風呂の入り方で解決できる場合もあります。

まず水分の摂取方法ですが、コップ1杯の量をできれば1時間くらいかけてチビチビ飲むことで解決する可能性があります。体内の水分調整は腎臓で行っていますが、一気に飲んでしまうと、体が尿を出そうと反応してしまうため、回数が多くなってしまいます。

ちびちび飲むことで排尿の回数を抑えながらもしっかり水分摂取ができる可能性があります。
お風呂に関しては寝る前に入る方が多いと思いますが、寝る2時間~3時間前に入るなど時間を少しずらすことで解決する場合もあります。試しに行ってみて、変化を評価してみるのもいいかもしれません。



一言に不眠といっても、さまざまな原因があるため、人によって対策は変わります。


しかし改善できるかもしれない対策もたくさんあります。そのため、どうせ変わらない、やっても無駄、と思わずにまずは1週間から2週間続けてみましょう。そしてやる前と後でどんな変化があったかを比較してみましょう。

細かく見ていけば、小さな変化があるかもしれません。

病院やクリニックでは症状を聞いて、薬を処方したり、指導を行うことができますが、実際の生活の変化や工夫は本人でしかできません。

体の最高責任者は自分自身です。

小さな工夫やチャレンジを惜しむことなく行い、少しでもいい方向に体を変えていきましょう。