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M&Aした会社を「副業チーム」で改革できる?1年で売上1.5倍に挑む【PMI奮闘記#1】

ここ数年で多様な働き方が広がり、副業を認める会社も多くなりました。

副業といえば、どんな仕事が思いつきますか?
ブログ、Webライター、プログラミング、動画編集、オンライン物販、フードデリバリー、コンサルティング、営業代行などなど……

実は「会社を買って、副業で経営する」という道もあります。そうすればあなたも経営者。ゼロから起業せずに“社長”になれて、仕組み化さえうまくいけば、会社勤めよりもラクに・大きな副収入が得られるかもしれません(夢がありますね)。

最近では「TRANBI」のようなM&Aプラットフォームも充実し、個人で会社や事業を売買する人が増えています。いつか自分のお店を持ちたい、という長年の夢を叶えた人もいます。

しかし、経営はもちろん甘くありません。
「買ったはいいけど、その後どうすれば?」M&Aあるある”だからです。

特に初めての業種に挑戦する場合は、右も左もわからずそのまま失敗することもあります。そしてその生々しい失敗談は、あまり世に出ることがありません。

そこで、今回から始まるこの連載は、実際にM&Aを行った一社にフォーカスし、M&A後のリアルな奮闘記を残していこうという試みです。

主人公は、TRANBI副業部メンバーを中心とした経営改善チーム。約1年にわたりリアルタイムで彼らの挑戦をお届けしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

(文責:田原未沙記)


副業人材に「買った会社」の経営を救えるか

2021年4月、外国人材の派遣・紹介をおこなう「株式会社ヒューマンアールの売却情報がTRANBIに掲載されました。

もとはリラクゼーションサロンを展開する株式会社アンピールの一事業として、おもてなし人材の育成を強みに独立させた会社です。人材サービス業は今後も伸ばせると感じており、他社に譲渡してもっと成長させてほしいとの願いから、売却を決意したといいます。

そして、TRANBIをきっかけに、株式会社ヒューマンアールは長野県にあるアスクホールディングス株式会社が譲り受けることになりました。加えて、アスクの社員である丸山氏がヒューマンアールの代表に就任し、社長としての挑戦がスタートしたのです。

とはいえ、丸山にとって人材サービス業は全く未知の分野。引き継ぎは済ませたものの、どうやって経営改善すべきか、次の一歩をなかなか踏み出せずにいました。

そこで思いついたのが、TRANBI副業部メンバーの力を借りることだったのです。

引き継ぎ開始から約1年後の2023年7月、新たなプロジェクトが動き出しました。その名も「継人(つぎびと)プロジェクト」

TRANBI副業部を中心に計7名のメンバーが集い、ヒューマンアールの社員とともに、冒頭で挙げた「買ったはいいけど問題」に挑むプロジェクトです。

彼らに託されたミッションは、1年後に売上を1.5倍にすること。シンプルにこれだけです。

そのためにはどうしたらいいか、メンバーが協力し合い、アイデアやノウハウを持ち寄り、副業という時間の制約がある中で経営改善に挑んでいく――そんなストーリーが始まりました。

なお、上記の目標を達成できた場合には、彼らに営業利益の一部を分配する(レベニューシェア)という形で進めています。1年後のミッション成功を目指し、全員が一丸となって頑張っています。

チームで挑戦するから、見える景色がある

ヒューマンアールはまだまだPMI(※)の段階。継人プロジェクトが発足してからは、事業の柱を3本に整理し、社員と副業部メンバーを組み合わせたチームでそれぞれ始動している状況です(詳しくは第2回以降へ)。

※PMIとは:M&A後の統合作業のこと

(参考:TRANBI 事業承継・M&Aコラム

本プロジェクトの意義は、何より「チームで挑戦すること」にあります。1人のコンサルタントが外から助言するのではなく、社員と肩を並べてみんなでどこまでいけるか。ある意味、実験のようなプロジェクトです。

さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが集まれば、それだけ多様な価値観や意見が交わされ、これまでにない発想やイノベーションが生まれる可能性があります。業界の知識や経験に富んだ人よりも、チームだからこそ生み出せる価値に期待しているのです。

また、副業チームの価値を世に広めたいという思いもあります。人材不足や働き方の多様化によって副業人材への注目は高まっていますが、1人よりも複数人の力があれば、解決できる課題はぐっと増えるでしょう。

成功保証なし、リアル奮闘記の連載を始めます

副業チームによる挑戦はスタートを切ったばかり。このストーリーには、予定調和も成功の保証も一切ありません。今まさにこの瞬間も、手探りでプロジェクトは動いています。

「1年後に売上1.5倍」この目標は、果たして達成されるのでしょうか。

関わっているメンバーも、代表も、こうしてnoteを書いている筆者も、どうなるかはわかりません。しかし、全員が同じゴールを目指して熱量高く挑んでいます。

これからこの連載は、約1年をかけて並走し、彼らの挑戦をリアルタイムでお伝えしていきます。あなたもどうか、この結末を見届けてください。


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