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デジタル・ケイブ事始め。(7)

ミステリー作家☆福田和代

法人をつくろうかな、と考え始めたのは一月。
なるべく手間をかけずに。ささっと。手軽に。

いやー、虫のいい望みなのはわかってるんですけど、「会社をつくる」手続きについての知識って、今後も活かせるかというと、たぶん二度と使うことがないじゃないですか？
もちろん、ふたつ、みっつと会社をつくっていく人なら、知識があって損にはならないんですけども。

私はとりあえず、楽～にやりたかったので、会社設立をサポートしてくれる税理士さんを探しまして、手続きをお任せすることにしました。
設立後に、顧問になってもらうのが条件なんですが、どのみち法人の決算はとても私の手には負えないので、税理士さんにお願いしようと考えていましたから、渡りに船。
電子申請してくれるので、実は自分で申請するより申請費用も手ごろに。。。

あと、法人化するのに、心理的にすごくハードルが高かったのは、
「自宅の住所をネットで検索されたくない」
ということ。
「国税庁法人番号公表サイト」( https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/ )
というのがありましてね。そこに会社の名前を入力して検索すると、法人の登記住所が誰でも見られるんですね。
……いやじゃん？　自宅の住所なんか、ネットに出したくないじゃん？　特に、女性の場合はいやだと思いますよ？
私なんか、見知らぬおじさんに、「ここは福田和代さんの家ですか」と、いきなり自宅に押しかけられたこともあるんですよ？　
それも一度じゃないんですよ？　

もともと、自宅と異なるオフィスで個人事業を営んでいた人が、法人化するようなケースなら、問題ないと思うんですけども。
私の場合、小説を自宅で書いていたので、そういう場所がないんですね。

それで、実は以前から「読まなきゃ！実行委員会」などでお世話になっている、法人設立登記にも利用できる、転送アドレスサービスを使わせてもらいました。ここは、私が法人設立を考えている「神戸市中央区」にあるうえ、今まで何度も利用していますが一度も問題が起きたことがなく、私の中で信頼感がとても篤いんですね。
そこで、今回もそちらを「仮の住所」として法人を設立し、お店の賃貸契約が完了すれば、登記住所を変更しよう。
そういう作戦です。

結論から言うと、それが原因で、後でひとつだけ問題が起きるのですが。。。

それはともかく。
2/1　税理士さんに、ホームページから法人設立サポートの問い合わせ
（メールのやりとり）
2/6　税理士さんの事務所でご相談＆依頼
2/7　法人設立にかかる手数料等の振込など
 //　 法人印鑑（３点セット）の発注
2/8　資本金の準備

そう言えば、この「資本金の準備」が興味深くて。
あたりまえですが、この時点ではまだ法人の預金口座は存在しないわけです。
それで、自分の名前で、自分の口座に資本金を振り込むんですね。
自分名義の普通預金の通帳に、「フクダカズヨ」からの振込であると印字されていることが必要なんですってね！
そういう方法で資本金を証明するのか～と、ナットク。
なので私は、口座Aから口座Bに、「資本金」を振り込みました（笑）

それはともかく、定款などの作成も、ぜんぶ税理士さんと司法書士さんにお任せして、私は必要な情報をお伝えするだけ。
この間もずっと、小説の締め切りに追われていたので、とても助かりました。。。

2/20　法人設立の挨拶状の発注
2/21　登記申請書類に印鑑を押すため、税理士さんの事務所へ

税理士さんとも相談し、3/1付けで会社を設立することになりました。
この「設立日」というのは、申請書類を提出した日付なんだそうです。

書類を提出してから、実際に登記が完了するまで、数日かかるようで。
「登記が完了したよ」とご連絡をいただいたのは、3/5でした。
このあたり、多少、時期などによっても違いはあるみたいです。

設立登記が完了したので、翌日3/6には印鑑カードを受け取り、印鑑証明と登記事項全部証明書（謄本）を取得し、その足で年金事務所にも向かって、厚生年金と健康保険の手続きを行いました。
（謄本はその後、いろんな目的で提出を求められるので、まとめて５通、取得しておきました）

で、この時点ではまだ、法人の普通預金の口座も持ってないわけです。
だから、資本金を振り込む先もない。
何をするにも、「先立つもの」がないと身動き取れませんから、なるべく早く、銀行口座をつくりたいじゃないですか？

で、3/7に某都銀のホームページから、法人口座開設の手続きをしようとしたのですが。
「まだその法人は登録されていないから、開設できない」
とホームページ上で断られてしまいました。

設立登記は終わっても、まだ国税庁の番号検索ができない状態だと、こちらの都銀では受付もしてもらえないようだと気づきまして。
それでも口座がないと困るし、国税庁に登録されるまでしばらくかかると聞いていましたので、某地銀の窓口に行き、法人口座開設の申し込みをいたしました。こちらはすぐ、受け付けてもらいましたが、あくまで「これから審査をします」という受付が終わっただけ。
結論を申しますと、審査に通って実際に口座ができたのは、3/14でした。

このあたりでですね、「会社つくって何かするの、めちゃめちゃ時間かかるのでは……」ということに気づいたわけです。。。　（以下次号）