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デジタル・ケイブ事始め。(37) 神戸のポテンシャルと、必要な情報を必要な人に届けること。

日本のマラソン発祥の地が神戸市って、知ってました?
いや~、私は最近までよく知りませんでした、すんません。
神戸市役所の前なんて、何千回も通ってるのにねえ。
http://www.city.kobe.lg.jp/information/institution/institution/library/furusato/marathon.html

「マラソン」という言葉が初めて使われたのが、明治42年、神戸で開催された「マラソン大競走」なんですって。へええ。

神戸って、面白い街なんですよ。
そもそも港町だから、海外の文物が入ってくる、入り口になりやすかったし。横浜と立場的にも似てますよね。
日本における映画の発祥の地には、京都・大阪・神戸が名乗りを上げているそうで、これは「何をもって発祥とするか」で変わるようですが、そう言えば、映画評論家の故・淀川長治氏も神戸出身でした。

言わずと知れた、洋菓子の街でもあります。
神戸牛の街でもあるし。
北野や旧居留地を歩けば、明治・大正時代に建てられた洋風建築が、独特の風情ある街並みを見せてくれます。
西洋文化だけではありません。南京町という中華街もありますし、関帝廟もあります。
日本初のムスリムモスクが建てられたのも神戸なら、国内唯一のジャイナ教の寺院に、ユダヤ教のシナゴーグもあります。カトリック、プロテスタント、正教の教会も。当然のことながら、神社仏閣もそろっております。

東洋と西洋がごった煮になった街。
結節点のようにさまざまな民族が集まり、お互いを尊重しあって暮らしてきた街。
そして人口はおよそ150万人。
そういう街のポテンシャルは、とても高いと思うのです。
なんだか、何でもできそうな気がします。
150万人のなかなら、40人~50人くらい、デジタル・ケイブのイベントに興味を持って、足を運んでくれる方がいらっしゃるような気がする。
ちゃんと、情報を届けることさえできれば。

仕事がら、初めてお会いした人とも、本の話題で盛り上がったりするのですが、皆さん口をそろえておっしゃることがあります。
「書店さんに行っても、本がたくさんありすぎて、何を読んだらいいのかわからないんです」
わかる! わかります、その気持ち!

以前、書店員さんと会話していたら、
「新刊が、雑誌なども含めて毎日、400~800点くらい出ている」
とおっしゃっていました。
もちろん、そのすべてが書店さんに届くわけではないでしょうが、それにしても驚くべき数字です。
書店さんのスペースにも限りがありますから、店頭に置かれた本は、その時の「売れ筋」商品なら長く残るかもしれませんが、たいていの本は、あっという間に店頭から消え、入れ替わっていきます。
しばらく忙しい日が続いて書店さんに行かないでいると、好きな作家の本がいつの間にか店頭に出て、いつの間にか消えていた! その本が出ていたことにも気がつかなかった!
……なんてことは、ざらに起きているわけです。

その中で、どの本を手に取りますか?

これって、けっこう難しい問題ですよね。
本は読みたいけど、何を読んだらいいのか、わからない。

いろんなご意見があると思いますが、やっぱりひとつは、「気の合う人から口コミで面白い本を教えてもらう」ではないでしょうか。
ところが、こんな話もよく聞くんです。

「面白い本を読んで、それについて語りたいのに、語れる相手がいない」
家族とか恋人とか、そういう話ではないんです。単に、本の話をする相手がいない、という嘆きが聞こえてくるんです。

これさあ。もうさあ。
……集まるしかないっすよね?
本が好きな人とか。コンピュータが好きな人とか。

本も人も、一期一会。
よい出会いが生まれるよう、デジタル・ケイブは頑張ります!