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【ブルー】デレク・ジャーマンの思い出

 週末は徹夜続けて論文2本の原稿執筆。大学院生時代はこれが平常運転で、毎日研究作業、毎日データ分析、毎日論文執筆、一日おきに徹夜して一日おきにに睡眠をとる生活だった。
 大学院生時代の論文執筆の徹夜明けでも唯一寝てしまった映画は、シネヴィヴァン六本木で観たデレク・ジャーマン作品特集『ウィトゲンシュタイン』と『ブルー』の二本立て。僕は彼が大好きで遺作『ブルー』をどうしても観たかったのに寝落ちして8割寝てしまった。連れも可哀想と僕を寝かしてくれた。
 僕がデレク・ジャーマンの作品で一番好きなのは学生時代に観た『ラスト・オブ・イングランド』。映像と音楽による表現の極北を観たと感じた。映画というより現代アートと呼ぶべきかもしれない。覇権や価値、歴史は壊れ去り新しいものを生み出す。彼はHIVで自己の死ぬまでの思いを遺作『ブルー』に残した。そんな遺作で寝てしまった僕はファン失格なのだと思う。

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