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【番組出演】『ダークサイドミステリー』御礼と放送されなかった僕の発言

 今夜のNHK『#ダークサイドミステリー 』ユナボマー連続爆弾テロ事件、ご覧いただきありがとうございました。バラエティ番組としてわかりやすく面白く構成、編集されていてよかったと思います。御礼申し上げます。僕がスタジオで発言した大事な部分がほとんどカットでした。僕の本当に伝えたかったけど、編集でカットされた重要部分を以下に列記します。  ①この事件はそれ以前のアメリカや世界中の学生運動、反戦運動から遅れてきた事象でありながら、それらと連続性のある政治性、イデオロギーを持つテロリズムと位置付けられる。それ以前から左翼や過激派による爆弾テロ事件は多発していた。  ② テロや大量殺傷事件で大事なのは犯人個人の「過激化(ラディカリゼーション)」現象が起きる原因(個人的な私怨が多い)とそれを政治的な大義名分と結びつける過程の心理的分析であり、カジンスキーからその分析と一般化を追究する必要がある。  ③ カジンスキーの論文『産業社会とその未来』は人類にとって非常に重要なテーマを含んでいて、科学技術による人間の疎外、人間にとっての自由、この問題について人類が思想的・哲学的に向き合い、科学技術の倫理学を構築しなければならない。  ④ AIやIoT、ビッグデータ、ロボティクス、ドローンなどイノベーション・テクノロジーが進化するほど、新しい人間の疎外が発生し、これから第二、第三のカジンスキーは発生しうる。この根源的な問いをカジンスキーは発している事に注目すべきだ。この問題の本質から目を逸らせば、こうしたテロリズム、暴力は社会から無くすことはできない。  残念ながら公共放送の特性か、バラエティ番組という性質か、番組の編集方針に僕のこれらの発言は合わなかったようです。残念ですが、仕方ありませんね。僕の知人の皆さんにはお伝えしたく。僕の考えは以上の通りです。これらの考えは、福田充『メディアとテロリズム』(新潮新書)でも展開してます。よかったらご覧ください。 ![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51697967/picture_pc_32fccafe5470c23e679bba9cc568fec8.png)

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