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第40回Book Fair読書会~すべてがBとFになる~

Book Fair読書会、今回の自己紹介テーマは「もらった本」。

サン・ジョルディの日にちなみ、人から贈ってもらった本のエピソードを出し合いました。

「あの本のおかげで、今も読書好き!」と心温まる話がある一方、意外と「実は積読中」「なんでくれたのか未だに分からない…」という声も。

そして本の紹介に移った後も、「あ!そういえば、あの本積んでた!」とのつぶやきが、何度か聴こえたような…

おかげさまで、Book Fairは40回目を迎えました。これからも、本と思い出を積み上げていきたいですね!(本は積みつつ読もう!笑)

それでは、本と帯の紹介をどうぞ!(お名前横のカッコ内には、参加してくださった回数が入っています)

豆いぬさん(2)→マーサ・ウェルズ(中原尚哉)『マーダーボット・ダイアリー 逃亡テレメトリー』創元SF文庫

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◆本の紹介、帯の解説
〈1〉人型AIロボットが主人公のSF小説シリーズ第3弾。自らを”弊機”と称す独特(かつ毒々)の語り口が、読者に愛され人気に!
〈2〉顧客に対し冷淡で、機械的な反応しかできなかった”弊機”だが、次第に人間の心を学んでいく。
〈3〉「無事かと訊かれ、はいと答えました。」…帯文に選んだ、このシンプルな会話にも、実は”弊機”のある気持ちの変化が表れている。

◆雑談、こぼれ話
・読んだらぜひ、感想を #heiki 付きでツイートしよう!
「”弊機”は、原著でどう表記されているのか気になる!」との声も。
・豆いぬさん「このシリーズを知るきっかけは文学ラジオでしたが、最新作はまだ紹介されてないけど買うくらい、ハマっています。続刊が楽しみな翻訳ものが増えて、嬉しいですね」

◆豆いぬさんに『マーダーボット・ダイアリー』との出会いをもたらした『文学ラジオ空飛び猫たち』はこちら↓↓

ヒロさん(20)→飲茶『体験の哲学』ポプラ

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◆本の紹介、帯の解説
〈1〉「普段、見過ごされている日常的な体験に目を向け、意識して味わう」ことで、人生を充実させるための実践集。
〈2〉それだけ聞くと「あれ?なんか普通…」と思ってしまう。しかしこの本は、奨められる体験の数が半端ない!
巻末には膨大な「体験チェックリスト」が控え、読者の挑戦を待つ。
〈3〉「ひとりバーベキュー」なんて、いかにも研ぎ澄まされそうで気になるけど、「ひとり焼き肉」が限界かな・・・。
でも「いい商品をつくりたい」という著者の熱意を感じ、信頼できる一冊。

◆雑談、こぼれ話
・体験は、特別さよりも日常的であることが大事!「普段の暮らしを大切にするからこそ、非日常も楽しめるんじゃないか」との意見も。
・「体験チェックリスト」に載っていた『真夜中のスパゲッティ』が話題に!

かなさん(10)→道尾秀介『鬼の跫音』角川文庫

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◆本の紹介
〈1〉怖さ溢れるドロドロ系短編集。6話全てに「S」という人物が登場するが、それぞれ全くの別人。
〈2〉いちばん好きな作品は、冒頭の『鈴虫』。刑事に取り調べされる主人公は、罪を犯す自分の姿を「鈴虫」が見ていたと語る。
〈3〉たぶん、鈴虫とは主人公自らの内面にある、良心の表れではないか。意識が人の内側に向かっていく様を感じ、このシーンが好きになった。

◆雑談、こぼれ話
・「跫(あし)」という漢字があるなんて知らなかった。
・同じ道尾さんの『向日葵の咲かない夏』など、誰目線なのか不明なまま進む小説は、めっちゃ怖い。おかしいのは周りなのか、主人公なのか・・・
・かなさんが「サイコ小説ソムリエ」になりつつある件。

かえちゃんさん(6)→岡本夏帆『水上バス浅草行き』ナナロク社

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◆本の紹介、帯の解説
〈1〉ある時、その日買った傘をお店に忘れて取りに行き、「そういえば、そんな短歌があったような・・・」と言われた。
〈2〉調べてみたところ、その歌とは〈ほんとうに あたしでいいの? ずぼらだし 傘もこんなにたくさんあるし〉。この着眼点に惚れてしまい、書店でサイン本をゲット!
〈3〉〈ていねいなくらしにすがりつくように、私は鍋に昆布を入れる〉〈平日の明るいうちからビール飲む ごらんよビールこれが夏だよ〉など、何気ない日常を切り取ったおしゃれな言葉に、すごく満足感をもらえる。

◆雑談、こぼれ話
・歌は、体験している時に思いつくのか、終わった後で考えているのかが気になる。
・話を聴いているだけでも親しみ深く、手に取って読みたくなる。

はらさん(2)→川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』

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◆本の紹介、帯の解説
〈1〉全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんは、同行者に美術館で作品を見てもらい、その説明を聴くことが大好き。
〈2〉例えば、筆者・筆者の友人・白鳥さんとの3人で、同じ絵画の前に立つ。
すると、筆者は以前住んでいた南仏を思い出す”風景”に”ピントが合い、人物”に気付かなかった。一方、友人は”風景”よりもぼやけた”人物”に注目し、「この絵、怖いな」と思っていた。
このように、同じ作品を見ていても、それぞれの経験や視点によって、感想は全く異なる。
〈3〉白鳥さんは、周囲の人が持つ世界観の違いも、面白がっている。
他者の考え方だけでなく、自分の「ものの見方」「フィルター」を知ることができる。それは、読書会にも通じる部分があると感じた。

◆雑談、こぼれ話
・五感が欠けた世界に行った時、自分はどうなるんだろうと考えた。
・白鳥さんが、自らの目線で綴った本も読んでみたい。
・人から伝え聞いた話は、自分の経験フィルターを通して編集・加工されている。

あやか丸さん(初)→井上ひさし ほか 文学の蔵(編)『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』新潮文庫

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◆本の紹介、帯の解説
〈1〉「作文力を上げたい」と思い、読んだ本。
〈2〉井上さんは、国語だけでなく数学や理科の教育でも「言語化」を鍛えている国に比べ、日本は国語力が低いと指摘する。確かに、観察したことをちゃんと書いて表現できるかと言われると、ちょっと難しいなと感じた。
〈3〉「書くこと」は継続が大事。続ける中で、正しい書き方を覚えていきたい。またこれからは本も読むだけで満足せず、どう思ったかを言葉にしていきたい。

◆雑談、こぼれ話
・あやか丸さんの帯は背表紙も、裏表紙も、綺麗にデザインされていました。本屋さんで見かけても違和感なく、自然と手に取ってしまいそう。一同、感激。
・見たそのものではなく、感じたことを表現するには、子どものような純粋さが必要かもしれない。
・国語の授業もただ「受ける」だけではなく「参加する(対話する)」ものになればいいと思う。

こーせーさん(32)→森博嗣『すべてがFになる The perfect insider』講談社文庫 S&Mシリーズ

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◆本の紹介、帯の解説
〈1〉森さんの『勉強の価値』を読むにあたって、予習的な意味で選んだ小説。
〈2〉約30年前の作品だけれど、人との接触が「贅沢品」となった世界の描写は、将来を予見しているかのよう。今、テレワークの普及などで、実際にそうなりつつある。この流れは一度始まったら、もう逆行しないのではと思った。
〈3〉情景を思い浮かべさせたり、読み手を混乱させる言葉遣いの上手さが面白い。作者にファンが多く、シリーズがずっと続いていることにも頷けた。

◆雑談、こぼれ話
・こーせーさんが参加した別の読書会では、主催者さんが森さんの作品を、「子どもに読ませたい」と紹介していた。
・工学博士でもある森さん。「博嗣」という名からして頭が良さそう。

LauLauさん(10)→木下古栗『グローバライズ』河出書房新社

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◆本の紹介、帯の解説
〈1〉一度読んだら忘れられない、超尖った短編集。『天然温泉 やすらぎの里』『フランス人』など、全体的に題と中身のギャップが凄い。
〈2〉特に紹介したいのは『道』。中国人女性に「伊勢丹」への道を尋ねられた僧侶。親切に、中国語で道案内をしてあげる、と思いきや・・・?
〈3〉伏線もなく訪れる衝撃の展開、これでもかと詳細に描写される下ネタの数々。若干引くけど笑ってしまう。

◆雑談、こぼれ話
・読んだ人限定で「下ネタOK読書会」の可能性も?
・作家さんに時代がまだ追い付いてないかもしれない。
・『道』はこちらで試し読みできます(面白いけど閲覧注意、要覚悟)

ふっかー(40)→岩田リョウコ『コーヒーがないと生きていけない!』大和書房

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◆本の紹介、帯の解説
〈1〉10歳でのある失敗のせいで、コーヒーは大の苦手!そんな著者が、30歳で移住した本場・シアトルで、コーヒーに「出会い直す」…
〈2〉結果、アメリカで本を出すほどのコーヒー好きとなった著者は、その勢いでサウナ、ビールの沼にもハマる!
愛したら一直線の姿勢に、"趣味活"はいつからでも遅くない!と励まされます。
〈3〉カフェインレスコーヒーはどう作るの?「アイスコーヒー」と「コールドブリュー」の違いは?
意外と知らない珈琲の世界を学ぶうち、カフェに行くのがより楽しくなる一冊。

参加してくださったみなさん、楽しい時間をありがとうございました!

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