町田一箱古本市Vol.4 レポート~3つの「Ride ON」~
東京都町田市と、YADOKARI株式会社さんがタッグを組んで発信するイベント、それが町田一箱古本市です。
町田駅から徒歩圏内にある芝生広場「町田シバヒロ」を活かし、地域を活性化する「Ride ON シバヒロ」プロジェクトの一環として、4回目を迎えました。
まちづくりを支援する「はじまり商店街」さんや、地元の本好きコミュニティ「町田みんな堂書店」が、企画に協力しています。
(広告に映るふっかー氏は毎週のように町田にいますが、町田市民でない事実にツッコんではいけません)
2020年11月21日、晴天に恵まれ、無事開催することができました!
このレポートでは、「3つのRide ON」と題し、イベントを振り返りたいと思います。
まずは、会場の風景を一気にどうぞ!!
◆Ride ON①~多彩な"乗芝員"がぞくぞく加入!~
手放す理由はそれぞれでも、ただ不要なだけの本ではなく、読んでほしい本を売る。
そんな店主さんの想いが反映され、(このイベントの合言葉でもある)「世界観」がつながる箱が勢揃い。
まるでシバヒロが、私達を未知の世界へと連れていく、緑の魔法のじゅうたんになったようです。
↑最初にお邪魔したのは、店主さんが台車で颯爽と登場の『まるはち一箱古本店』。
家、会社、コミュニティなど、いろんなものを「つくる」テーマの本が揃っていました。
来年はひとり一本、棚をDIYして、みんなで台車パレードしたら宣伝になりそう…(前半はいいけど後半無茶)
↑本は一箱!レコードも一箱!こちらでは、なんとDJをしながらお店番をされている方が♪
素敵な選曲で、周囲はリラックスした雰囲気に。
(私は、山下達郎『高気圧ガール』をリクエスト!)
昭和の記憶が刻まれた、貴重な古書なども見せていただきました。
↑町田に12ヵ所、そして最近は座間に13号店がオープンした、本のシェアスポット『きんじょの本棚』さん!
本店は、今日だけ古本屋に変身!店主さん同様、まさに神出鬼没です。
↑今月、Book Fairがコラボさせていただいた『翠色倶楽部』さん。
その読書会で紹介されていた『世にも奇妙な君物語』(朝井リョウ)をさっそく読み「面白かったよ!」と言ってくださいました。
↑こちらでは、『まちだ旅する絵本』のブースを発見!絵本で人の輪を結ぶ活動が、広がっています。
このプロジェクト自体、「絵本だからこそ、社会にできること」を探す旅なのかもしれません。
↑「一箱」の常識を覆す、豪快でライブ感溢れるお店も!
子ども店長さん達がその場で描きあげた、ダンボール一箱分の「作品本屋」が、注目を集めていました。
受付の近くには、猫にまつわる漫画を自由に読めるコーナー!
奥に進むと、「山小屋で読んだ」「海外で手に入れた」本という、ユニークな品揃えが光るカカポ亭さんに遭遇!
個人的に、人文書や小説のセレクトがドンピシャで、つい何度も覗いてしまいました…
一方、古書や美術、アート系の本が並ぶ隣に...
宇宙の不思議を探求できるお店が!!
多彩な計20店舗が並び、賑やかに交流が進みました。
知り合いのお客さんからも「店主さんの個性が出ていて楽しい!」との声をいただきました。(自分が募集したわけではないけど…)嬉しかったですね。
◆Ride ON②~制約があっても、ノリよく楽しむ!~
開催するにあたっては、都内で新型コロナウイルスの感染が拡がる中、緊張感もありました。
スタッフさんはもちろん、訪れる全ての方の検温・消毒を徹底。
イベントスペースも、前回はシートを敷いていましたが、今回はひとりひとりに椅子を用意して、間隔を空けやすくしました。
またこの日は、ガチで危険なレベルの強風に見舞われ、途中でテントを畳むことに。
急きょ、せっかくセッティングしていただいたお店を「引っ越し」することになりましたが、
逆に外から様子が見えてお客さんを引き寄せ、"密集"も更に回避されるなど、新たな一面が見えました。
何より、そんなハプニングが起きても楽しい雰囲気は変わらず、お客さんとしての立場でも「来て良かった!」と思いました。
例えば、話しながら値段を決める人がいれば、リクエストに応えてくれるDJも、本と一緒にかわいいタワシをくれる人もいる。
自由な皆さんの「ノリがいい」から、いるだけで気分が乗ってきます!ここにも、Ride ONがありました!
「安全に気をつけつつ、楽しむ」という難しい状況。それでも、遊び心を忘れない方々の存在が、本当に心強い一日でした。
Ride ON③~世界観の掛け算~
弱まる風と引き換えに、寒さが増してきた後半戦、『ほりだし読書会』が始まりました。
今回は、(1)どんな本を買いましたか?(2)どんな交流がありましたか?(3)次回は、どんなイベントがしたいですか?というお題から自由に選んでもらい、一箱古本市の感想を語り合いました。
★参加者さんの言葉
「前から読みたかった、ウェルビーイングの本と出会えました。よりよく過ごすための知識を深めていきたいです!」
「昔からファンタジーが好きで、子どもの頃は地元の図書館で読んでいました。久しぶりに楽しみたいなと思います」
「まついのりこさんの絵が好きで、今日は素敵な本が見つかってよかったです。野外なので密を避けられるのもいいですね。次回の一箱古本市も楽しみにしています」
「内容が全然想像できない装丁と、店主さんのオススメに惹かれて3冊決めました。ジャケ買いです。」
「最近興味のある、家具作りの本を買いました。家具の選び方で、空間の作り方が決まる。そして、人にどんな行動を促すかも変わるんです。今日、まだまだ買いたい本があります(笑)」
「店主さんと〈なんで男の子は機械が好きなのか〉という話をして面白かった!」
「本の感想を書く時の参考にしたくて、"言葉"について考える本を選びました」
「本は、世間で話題になる時と、自分が読みたくなるタイミングは違う。自分の中で話題になるのは、直接誰かの感想を聞いた時だと思う。だからこそ、読書会や古本市は楽しい」
※実は『おしいれのぼうけん』談義が、いちばん盛り上がりました(笑)。このレポートを見ているあなたは、読んだことがありますか??
ふ今回は、ひとことで言うと「世界観の掛け算」をする時間になりました。
同じ会場を巡っていても、気になるポイントが違う。だから司会をしていても、もっと参加者さんについて知りたくなりましたし、今回買った本の感想も聞きたくなりました。
好奇心がどんどん積み重なって、それがまた、次に本を読むモチベーションになっていくのだと思います。
ちょっと強引かもしれませんが、掛け算=乗算の「乗」という漢字も、Ride ONを連想させますね。
どんな本を選んだのか?という話題を入口に、ゆくゆくは予想外のコラボが生まれるかもしれません。
絵本Lifeデザイニスタ・鈴木さんの『モリノおとな絵本部』、きんじょうさんの『きんじょの読書会』でも、きっと楽しい掛け合わせが起こったと思います。
もちろん、それぞれのお店でも。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました!!
★ ★ ★
古本市を終えてみて、世界観をつなげるイベントは、改めて楽しいと感じました。新しい人や言葉との出会いが、沢山待っているからです。
当たり前ですが、普段は自分が読みたい本を読み、見たい世界だけに浸っている。だから「つながる」ことは「ぶつかる」リスクもある。それでも、この挑戦は魅力的です。
次回は、どんな想いが「Ride ON」されるのでしょう…
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