~読書会しか知らない世界~第50回Book Fair@新宿レポート
「本の帯を書く読書会」Book Fair、ついに50回を達成しました!
番外編なども含むと、5年弱で本当に様々な試み、多彩な思い出ができたなと感じます。
(飲み会やカレー会も・・・笑)
これも、ひとえに参加者の皆さん、コラボしてくださった会場の皆さんのおかげです。
この日は、こーせーさんから「目指せ100回」という意気込みもありました。
これから、回数の積み重ねはもちろん、「さらなる仲間づくり」「居場所としての安心感」も意識し、次の節目に向かいたいと思います。
それでは、本と帯の紹介をどうぞ!
※参加者名横のカッコ内数字は参加回数
せーやさん(7):池田渓『東大なんか入らなきゃよかった 誰も教えてくれなかった不都合な話』飛鳥新社
東大生(卒)の順風満帆、キラキラしたイメージをぶち壊す、東大卒ライターによるノンフィクション。
ハリー・ポッターの組み分け帽子が闇堕ちしたの!?と思ってしまう「進振り(進学振り分け)」制度、高い留年率、就職先での厳しさ・・・
東大が悪いというより、日本の教育や社会に、構造的な問題があるのかも?と思わせる、興味深い本紹介でした。
nicoさん(2):レティシア・コロンパ二『三つ編み』早川書房
nicoさんが出会った「しんどいけど、読んでよかった」ジェンダー小説。
不可触民〈ダリット〉として働くスミタ。父が倒れ、家業の破綻危機を知るジュリア。仕事と子育ての”ワンオペ”状態にある弁護士のサラ。
それぞれの決断が”毛髪”を介してつながる。
「強く生きようとまでは解釈できないけれど、この物語を知れてよかった」
じゅんさん(5):森博嗣『ヴォイド・シェイパ』中公文庫
森博嗣さんといえば、『すべてがFになる』のようなミステリーで知られていますが、こちらは時代小説シリーズの1作目です。
亡き師の遺言通り、住処の山を下り、”強くなるため”の旅に出たゼン。その道では熱い戦いより、禅問答のような思索が中心となります。
じゅんさんに刺さった言葉は「生きている人間に価値があるのではなく、その変化に価値がある」。
静かな描写や、哲学的な文章を味わいたい方におすすめです。
大森さん(2):ジェイコブ・ソール『帳簿の世界史』文春文庫
久しぶりに参加の大森さん。「会計の知識がないとキツイし、面白くはない(笑)」本を、面白く紹介してくださいました。
会計の歴史において、大きな変化は「複式簿記」の登場。今までの「単式簿記」と違い、商売だけでなくその人自身の資産が記録されていく。そうなると、例えば絶対君主がいる国などでは、不正が起きやすくなる。
帯文には、時代によって会計学のあるべき姿は変わるもので、常に試行錯誤が続いている、という意味が込められています。
こーせーさん(41):小柳津広志『花粉症は1日で治る! 東大の微生物博士が教える』自由国民社
かつて、湘北高校バスケ部の赤城キャプテンは「いいからテーピングだ!」と言いましたが、この本の筆者の主張をまとめると「いいからゴボウだ!」になります。
花粉症を治す鍵は「酪酸菌」(と、酪酸菌を体内で増やす「フラクトオリゴ糖」)。そのフラクトオリゴ糖が豊富なのはゴボウで、1日1本食べれば理想的とのこと。
他にも、花粉症対策に効果的な食生活の知識が載っている、(全部鵜呑みにしてよいかは別として)とてもわかりやすい本。
こーせーさん家では、今後きんぴらごぼうや豚汁の出番が増えそう??(さっそく家族会議したそうです)
ふっかー(50):有隣堂YouTubeチーム『創業100年超 老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界 「チャンネル登録」すら知らなかった社員が登録者数20万人に育てるまで』
本屋なのに、本じゃないものばっかり紹介するYouTubeが、一周回って(?)書籍化!
本がなかなか売れない時代に、本のネタバレができない媒体で、どうやって本屋の魅力を伝えるか?
「有隣堂YouTubeチーム」は、社内のオモシロ人材を発掘し、彼らの”偏愛”ぶりに賭けました。
「何かを知ってもらう」発信は、楽しいからこそ続けられる。加えて、その楽しさにはしっかり原則がある。
ただ自由に見えても、実は絶妙なバランスが支える番組制作の裏側を、ちょっとだけ覗けます。
今回も、ご参加ありがとうございました!
そして読書会の〆は、やっぱりカレーでしょ🍛
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