新人会員のトリセツ③

MartinRoyal代表の須藤です。昨年会社員を辞め、スポーツ・武道団体向けの運営支援サービス"FUKAMIE"をはじめました。

このブログでは事業を通して、そしてこれまでの経験から、スポーツ・武道団体を運営している方に少しでも有益な情報を伝えられればと思っております。

今回は、前回に引き続き「新人指導」をテーマに考えていきましょう。


○いかに稽古に集中させるか

新人さんの成長スピードは、先生の指導方法だけで決まるものではありません。

より重要なのはレッスンプログラム(稽古内容)です。

つまり「どのような課題を与えて、どのような練習をさせるか」ということが新人さんの成長スピードにとても大きな影響を与えます。

レッスンプログラムの設計については、また別の機会に詳しくお話ししたいと思いますので、ここでは最も重要な点についてお話しします。

それは「良いレッスンは、生徒が夢中になるレッスンである」ということです。

どんなに先生の教え方が素晴らしくても、1時間以上ある稽古時間すべて教え続けるのは無理があります。

教えたことを練習させたり、他の会員と組ませたりする時間が必要になります。

このとき、新人さんが練習に集中できているか、手持ち無沙汰になっていないか、夢中で練習しているか、という観点でチェックしてみると、レッスンプログラムを評価することができます。


○手持ち無沙汰にさせないプログラムのコツ

では、どうすれば、手持ち無沙汰にさせず、練習に集中させることができるのでしょうか。

コツは「課題を設定する」ことです。

ここでいう課題とは「すぐにはできないけれど、少し練習すればできそうなこと」を指します。

この「難しすぎず、簡単すぎない」というのがコツで、このような課題が設定できると、新人さんはとても集中して練習に取り組むことができます。

特に子供たちには効果てき面です。まるで、新しいゲームを与えられたかのように、嬉々として練習に取り組むようになります。

詳しく知りたい方は、以下の本がおすすめです。


○うまく課題を与える方法

最後に課題のうまい与え方についてお伝えします。

(1)魅力的なゴール(手本)を示す

(2)全体を俯瞰するプロセス(手順)を示す

(3)フィードバックしてから何度もやらせる

これだけです。

難しく考える必要はありません。型稽古といえばわかりやすいですね。

実は型稽古には、新人さんを夢中にさせるノウハウが含まれているということなのです。

ただし、正しく運用しなければその効果は得られません。

よくありがちなミスと対策については以下を参考にしてください。

(1)手本を示す際に新人さんだからと手加減してレベルの低い手本を見せてしまう

対策:手本は新人さんが憧れるようなレベルの高いものである必要があります。「新人さんだから」と加減せず、技を見せるときには最上級のものを見せましょう。

(2)個別のコツややり方に執着して、全体像を示さない

対策:うまくできるかどうかに関わらず、まずは一通りできるようにさせることが重要です。途中でコツややり方を教えたくなっても、まずは全体を通してできることを目指しましょう。

(3)教えた後すぐに「あとはやって」と任せてしまう

対策:教えた後、実際にやってもらうこと、そして、やってもらったことにちゃんと合格点を出すことが重要です。合格点を出すことで、「それを繰り返しやれば良い」という基準が明確になります。



今回は「新人会員指導シリーズ」の最後に、「新人さんを夢中にさせる課題の与え方」について書いてきました。

レッスンプログラム設計は奥深いですが、今回の「課題を与える」という観点は、比較的すぐに実践に応用できると思います。

ぜひご自身の団体で取り入れてみてください。

次回からは、新たに「事務局担当者のためのタスクマネジメント」というテーマで書いてみたいと思います。

FUKAMIEでは、今回紹介したノウハウを活かした事務局運営代行サービスを提供しております。ぜひブランディングや会員獲得や組織の運営にお困りでしたら、お気軽に問い合わせください!