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新人会員のトリセツ②

MartinRoyal代表の須藤です。昨年会社員を辞め、スポーツ・武道団体向けの運営支援サービス"FUKAMIE"をはじめました。

このブログでは事業を通して、そしてこれまでの経験から、スポーツ・武道団体を運営している方に少しでも有益な情報を伝えられればと思っております。

今回は、前回に引き続き「新人指導」をテーマに考えていきましょう。






○技術指導と同じくらい重要なこと

新人を指導するときに大事になってくるのが、指導者のスタンスです。

指導者が「技術を教えるスタンス」「姿勢を教えるスタンス」かによって、同じ基本を教えるにしても全く異なる指導になります。

たとえば、技術スタンスの指導者の場合は、新人に指導すると「手順」や「コツ」を主に教えます。「まず足を一歩前に」「右足はまっすぐ前に、左足は90度左に向けて」「手は腰のあたりで手刀をつくり」「大きく手を振り上げて正中線に下ろすように振り下ろす」といった具合です。

これに対して、姿勢スタンスの指導者の場合は、新人に「できないながらもチャレンジしてみる」ことを教えます。「最初のうちはできなくて当たり前だから」「まずはどんどんやってみよう」「下手でいいからね」「おもいっきりやってみよう」といった具合です。

お気づきのことと思いますが、どちらか一方が大事ということではありません。どちらも大事なのですが、多くの場合、技術スタンスの指導ばかりしてしまい、姿勢スタンスの指導をあまり行っていないことも多くあります。

私も後輩指導をするときによく思いますが、これは自分がどう習ってきたかという点も影響していると思います。自分はどっちの傾向が強いか、教えやすいのかというのを振り返りつつ、誰かに教えるときは別のスタンスもあるし、その方がわかりやすいのかもという意識が重要です。






○姿勢を教えることの意義

スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック博士の実験は面白いものです。

10代の少年少女にIQテストを解かせます。そして1つのグループには「いい点数だね!」「素晴らしい才能があるね!」「計算技術に長けてるね!」という具合に褒めます。

もう1つのグループには「いい点取れたのは君の努力だね!」「頑張ったね!」「課題を克服したね!」という具合に褒めます。

同じように褒めているように見えますが、前者は結果や技術を褒め、後者は姿勢を褒めています。

面白いのはここからです。

同じ子達に今度は「簡単な問題」と「難しい問題」のどちらか一方を選択して解くように指示します。すると、どうなったでしょうか。

前者の結果や技術を褒められた子供たちは、悪い結果になることを恐れるようになり「簡単な問題」を選択するようになりました。

逆に後者の姿勢を褒められた子供たちはチャレンジすることの楽しさを学び、「難しい問題」を選択するようになったのです。

気になる方はぜひ以下の本を。


一般的に武道の稽古では、あまり褒めるということはしないかもしれませんが、
特に不安の多い子供たちや新人の方達には、意識して彼・彼女らの頑張りや努力を褒めてあげるようにしましょう。

そうすることで、チャレンジする姿勢が養われ、より難しいことにチャレンジしやすくなり、上達も早まります。



今回は「新人指導」をテーマに「姿勢を教えることの意義」について書いてきましたが、ぜひこの観点から、いまご自身の団体で行われている先生や先輩の指導を確認してみてください。

次回ももう少しだけ「新人指導」をテーマに考えてみたいと思います。

FUKAMIEでは、今回紹介したノウハウを活かした事務局運営代行サービスを提供しております。ぜひブランディングや会員獲得や組織の運営にお困りでしたら、お気軽に問い合わせください!