起きてすぐに電気をつけるとダメージをくらう話。
夫と暮らして1番おどろいたのは、起きてすぐに電気をつけることだ。
「やめてっ!!消して~~!」
暗闇の中、すでに起きてリビングで活動していた私は両手で目を覆う。
起き抜けのすっぴんを恥ずかしがっているのではない。
照明の明るさに耐え切れず、目がつぶれそうな感覚になるのだ。
HSPの私は小さな頃から、暗闇から急に光りを浴びることが苦手だった。
徐々に差し込む太陽の光に目を慣らさないと、光に耐えられない。
私は自分以外のみんなもそうだと思っていた。
いきなり起きてすぐに電気はつけないと。
だけど、いきなり照明をつけても平気な夫を見て、初めて自分が光に弱いことに気づいた。
夫は私の感覚が理解できないらしく、電気くらいスキにつけさせてくれと、起きるとすぐに電気をつけて、嫌がる私と揉めた。
こんな結婚生活は嫌だ!
解決せねばっ!
そして私は、夫を起こさないよう、太陽が昇る前の5時すぎに起きて、暗闇の中、近所を散歩するようになった。
まだ誰も起きていない中、先に起きる優越感。
シンと静まった今だけは、世界が私だけの物のような気がするぞ、ふふ。
歩きながら、冷蔵庫の中を思い出してレシピを考えたり、1日の仕事の段取りを考える。
起き抜けで頭がすっきりしているから、思考がポンポンはねる。
そうしていると、空が黒から紺色へ、オレンジ色へとグラデーションがかって太陽が昇る。
すごい綺麗だ。
この景色を見れるだけで、生きていてよかっと思う美しさ。
目が光に慣れてくると、私は自宅に戻る。
すると、昨日は気づかなかったアマゾンの段ボールが玄関にある。
起きてきた夫にこれは何か尋ねると、開けてみてと。
手のひらサイズのドーム型のライトが入っていた。
1回タッチすると弱く光る。
2階タッチすると少し強く光る。
5段階までは調節できるそうだ。
「これがあれば暗闇で電気をつけたい時に、君をびっくりさせずに済むよね」
夫は夫なりにHSPの私の事を考えてくれたようだ。
こんな結婚生活も、悪くないぞよ。
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