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先週のショートショート【24年06月30日~07月05日】

■2023年06月30日(日)
妻からのお題は「背景」。何種類かの背景を考える。最初はレイアーの話を書こうかと思ったが、話が分裂してしまった。削除。一転して舞台美術が逃げ出す話を書く。まったくわからんと妻から返信が来る。手直ししたが、ダメだろうな。「芝居見物」というタイトルも誤解を生んだかもしれない。

■2024年07月01日(月)
妻からのお題は「一升」である。一升瓶くらいしか思いつかない。のんだくれの話になる。いちおう時間ものだけど、伝わらないかもしれない。「のんだくれ万歳」というタイトルでアップロードする。妻からは「なんで友だちを出すの?」という疑問と、「どうして名前をつけるの?」という疑問が返ってくる。なるほどと思い、単純に男と友だちと庄屋の話にした。友だちを出しがちなのは、会話を入れたいから。

■2023年07月02日(火)
妻からのお題は「本のカバー」。妻は本のカバーがいらない人だから、こういうお題を発想するのだろう。私にとって本のカバーといえば、カバーの上につける紙のカバーのほうである。で、異様に強化されたカバーを想像してみる。それはロボットである。本を傷めようとするなら、人間を殺傷することも厭わない。そんな危険なロボットが家電量販店に並んでいる。つらつらと書いてしまったが、恐怖に的を絞ったほうがよかったかなとあとで反省する。いま上げてあるやつはなんだかつまらない。タイトルは「本が大切」。ベッドに横たわっていると、ふと、しょうもない話を思いつく。昔話の異文である。ぽつぽつとスマホに入力し、そのままnoteにアップロードしてしまった。夢のような気もしたが、朝、確認したらちゃんと残っていた。浦島太郎の話である。「太郎の借金」というタイトル。

■2023年07月03日(水)
妻からのお題は「サシ飲み」。サシもなにも呑まない、呑めない人によくこんなお題を出してくるなあ。リアリティがないとか文句つけるんじゃないぞと思いながら、話を考える。喋りたくない男たちの話を書く。へんな話。なんだかわからないので、もう一本、合コンの話を書く。どっちも登場人物たちはノンアルを呑んでいる。想像力の欠如も甚だしい。妻に見せると、そんなに悪評でもなかったので、二作アップロードする。「伝統」と「カップル成立」というタイトルにした。まだ物足りなく、もうひとつ急いで描いた。猫とサシ飲みする話である。なぜ私は人間以外のものを描くとしっくりくるのであろう。「黒猫バー」というタイトルをちひろさんにつけてもらう。

■2023年07月04日(木)
妻からのお題は「有線」。一時間ほど考えて書き始めた。書きたいシーンと書きたい設定があって、分裂した気がする。作中で「アンドロイド」という言葉を使ったが、できれば使いたくなかった。人で完結したかったが、それを可能にするアイデアが思いつかなかったのである。「動かない女」というタイトルでアップロードした。

■2023年07月05日(金)
今日はめずらしくフリーで書いてみた。本来のお題は「酔っぱらい」だったのだが、つい先日ノンアルの話を調子づいて三本も書いてしまったので、ちょっとでがらし感がある。ぼーっとしているうちに、保護猫のことを考えていて、怪獣話になった。「サイズの問題」というタイトルにする。八時間近になって妻から「相づち」というお題がくる。つらつらと書いていたら、人と鸚鵡との会話になっていた。妻に「このまま店に行ってしまえ」という指令が来て、ぶじ一作完成する。「相づち」のタイトルでアップロード。

■まとめ
今週はなぜか尻上がりに調子がよくなる。数が出るのが不思議だ。暑さのせいで頭がちょっとおかしくなっているのかもしれない。三本書いた日のお題は「サシ飲み」であった。アルコールを飲まない私の人生にサシ飲みは無関係すぎる。始める前は書けないだろうと思っていたのだが、強引に自分に引き付けたら、次々に書けてしまった。困るほどいいという法則でも作ろうか。困惑は発想の母。ということで、今週は十本。ほのぼの系の話が増えている。もうすこし背筋が寒くなる話も増やしたい。

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