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先週のショートショート【12月19日~12月25日】

■2022年12月19日(月)
妻からのお題は「白線」。迷った末、横断歩道に行き着く。歩く横断歩道。あれ、前にちょっと似た話を書いてなかったか。まあいいか。タイトルは「横断人形」とする。妻には「全体に弱い」と言われる。私もそう思う。構造を強化するより、削って小さな話にした。

■2022年12月20日(火)
妻からのお題は「ツアー」。最初は旅行の旗の話を書こうとしたのだ。気がついたら、バンドのツアーの話を書いていた。妻からは「山下洋輔トリオ好きすぎ。書きたかっただけでしょ」と言われる。図星を疲れた。「なにか事件を起こしなさい」。いったん「空を超えて」というタイトルで一度アップロードするが、延々と直し続ける。タイトルは「セッション」に変更。

■2022年12月21日(水)
妻からのお題は「夜食」。書き出しては止まる。困っていると、妻から「猫のおやつを買ってきて」とLINEが来る。猫がエサ皿の前で待っている写真を添えて。急ぎ足で買ってきた。体を動かしたせいか、別の話が起動する。ぜんぜん先が読めないが、続けているうちに最後まで行き着く。不思議な話となった。「牛スジ」というタイトルでアップロード。

■2022年12月22日(木)
妻からのお題は「ハンコ」。書けないままに時間が過ぎゆく。あっと言う間に19時半。難読のハンコを出張販売する話を書いてみるが、満足いかず。最後が無理やり過ぎる。もう一本結婚詐欺師の話を途中まで書くが、オチが決まらず。結局、最初の話を「難読」というタイトルでアップロードする。

■2022年12月23日(金)
妻からのお題は「バナナ」である。週間の課題でもある。千回記念に合わせて、タイトルは「千本バナナ」にしよう。ざっくり書いたのを妻に送るが評判は悪い。自分でも出来が悪いと思う。夢に逃げたのがいけないな。食べると面白いお話を思いつく話に変更。まだダメ。出だしを具体的にし、思いつくのと書くのは違うというオチを思いついてようやく形になる。「(質的に)ギリギリだね」と妻に言われる。

■2022年12月24日(土)
妻からのお題は「クリーニング店」。何十年も前の預かり票が出てくる話にしよう。ところが、展開につまづく。どう続けてたら話が面白くなるのか。試行錯誤の繰り返し。長くなるはオチは決まらないはでドタバタする。そうこうしているうちに、ルームを立て忘れていることに気づく。十分前にあわてて立てた。妻からは「長すぎる」という指摘が来る。うん、そうなのだが、その前に話の骨格もまだ……。方向性はわかったので「完璧な保存」というタイトルをつけてアップロードする。

■2022年12月25日(日)
妻からのお題は「ドラム缶」。既視感がある。なにかのついでに検索した覚えがあるなあ。とはいえ、なんとか物語を紡がねば。太い木の幹の分かれ目にドラム缶がくくりつけられている光景が浮かぶ。これでなんとかならないかと思い、書き始める。最後でなんとかなった。寸止めで一行削る。妻からは「ちょっと長い」「光景が見えない」の二点。修正する。「失踪」というタイトルでアップロード。珍しく、個人的に納得のいく作品。

■まとめ
ショートショートを集中して書く期間というのがあり、毎日書き続けてはパタッと止まる。三度目の波が来て、ようやく千本に達した。千本目の作品は「千本バナナ」。キリのいいところで止めようかとも思うが、まだもう少し書けそうな気がするので、続ける。お付き合いのほどをお願いします。コメントをいただけると、励みになります。

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