見出し画像

先週のショートショート【24年03月24日~03月29日】

■2023年03月24日(日)
Chiekoさんからのお題は「和解」。和解薬の話を書いたが、ダメだろうなあという予感通り、妻から「無理」の返事がくる。試行錯誤の末、和解装置の話を書く。人格を交換して、お互いの立場を理解しあうという機械。最後の一行がどうしてもうまくいかない。ここさえ書ければなんとかなるのにな。時間切れで冴えないオチとともにアップロードする。タイトルは「和解の果て」。

■2024年03月25日(月)
妻からのお題は「キロポスト」である。それなに? ネットで調べてようやく距離の標識であることがわかる。こんなものをもとになにを書けばいいのか、茫然とする。名前だけ使おうか。身近な距離といえば、散歩。お散歩ドローンの名前を「キロポスト」と名づけ、散歩に出かけて、キロポストを破壊されてしまう半分惚けたおじいさんの話を書く。妻に「キロポスト」が不自然と言われ、ただのドローンに変えた。話の筋はないも同前で、また昨日のようなパターンに陥った。「ベンチの人」というタイトルにする。ただ、ベンチにいる老人のことを書いただけだ。

■2023年03月26日(火)
妻からのお題は「食品サンプル」。難渋する。お題に付きすぎて離れられない。一本目は食品サンプルを食べる話を書いて失敗。もう一本。以前からずっと引きずっている自分のテーマ「路上」と組み合わせ、道路に、落としてしまった食品サンプルがたくさん置いてある話を書いた。タイトルは「蹴るべきか」。自分だけ納得してしまった感がある。

■2023年03月27日(水)
妻からのお題は「シロップ」。連想を広げるのが難しかった。甘いという方向、どろっとしているという方向以外になにかあるだろうか。最初は「幸福のパンケーキ」というタイトルで、本人の幸せ度合いで甘さが変化するシロップの話を書いた。夫はまったくの無味。夫婦関係が破綻する。妻からは一言「なんじゃそりゃ」という返信が来た。二本目を書く。あまり新味はないが、台所にたくさん管があり、そのなかのひとつにシロップ管があるという風景が見えればいいなと思った。タイトルは「早朝の工事」。妻は「うーん」と唸っていたが、時間切れでアップロード。いまいちの作品が続くなあ。

■2023年02月28日(木)
妻からのお題は「スタッフ」。調べたら、わりと国によってニュアンスに違いがあるようだ。基本的には裏方のイメージ。会社の社員はみんなスタッフと呼んでもいいらしい。それで、会社の話を書くことにした。私はちゃんと就職したことがないので、会社の話を書くと急に嘘くさくなる。ショートショートだから誤魔化せるかというと、そういうものでもない。「今日の仕事」というタイトルでアップロードしたら、妻から「短くしろ」という指令が来た。最後はショートショートらしくオチているとおもう。

■2023年03月29日(金)
妻からのお題は「粉末」。粉末が入っている容器といえば、カプセル。上司が謎のカプセルを次々に渡してくれる企業の話を書いた。悪魔ものの変形である。タイトルは「ブラック企業」。妻からも「長いが面白い」という反応が来た。長さは気になっていたので、できるだけ縮めてアップロードする。それでも700文字。

■まとめ
最近、起伏のない話が多い。ショートショート、かならずしも起伏が必要だとは思わないけど、傾向としてはあまりよろしくない。週の後半、木曜日くらいからようやく持ち直す。記憶に残ったのは「ブラック企業」。悪魔ものなんて星の数ほどあるから、もう書けないだろうと思っていたが、カプセルを飲ませる上司の話を書いているうちに自然と悪魔ものになった。書き始めたときはブラック企業なんて言葉は頭のなかにまったくなかった。毎回、こんなふうにオチが下りてきてくれると助かるのにな。

次週
前週

この記事が参加している募集

振り返りnote

新作旧作まとめて、毎日1編ずつ「朗読用ショートショート」マガジンに追加しています。朗読に使いたい方、どうぞよろしくお願いします。