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エッセイ┃わたしブラックホール
最寄り駅から自宅までの850m、大きな看板に毎日違う人の名前が書いてあるのを目にする。葬儀場。
少なくとも近所で一人の人がこの世を去り、たった今その悲しみの渦中にいる人々がいるのだと考える。死を実感する。
それと同時に自分の生もまた実感する。看板の前を通る度、人の死を踏み台にして自分の生を噛み締めてしまう日々。
鈍感なようで繊細
人には親切にしたいが
善意だけじゃ損ばかりな世の中と感じる
ひとりが好きなのに本当の孤独は怖い
昨日は悪と考えていたことが今日は善になる
嫌いなインフルエンサーに限って
SNSを覗きに行ってしまう
誰かの真似や流行りに乗るのは大嫌いなのに
気付けば自分の身なりや考えは誰かの模倣
相反する自我を内包し、超新星爆発寸前の恒星みたいな私は、今日もなんでもないような顔してヘラヘラと生きています。
あと何年生きられるのかは分からないけど、出来ることなら100歳くらいまで生きて、近所で有名なバカ元気ばあちゃんになりたい。そんで毎日茶飲みながら同じく長生きなばあちゃん友達と喋って、趣味で油絵とかやりたい。そんで夜8時には寝たい。
そして私が死ぬ時は、ちょうど質量の大きい星がその最大の輝きを放って散るみたいに、派手に果てたい。
行く先はわたしブラックホール
こちらの記事は、過去の記事で公開した短歌の作品から着想を得た小エッセイになります。
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