15首連作『光、それは』

君は晴れ 空の天気がどうであれ君はいつでも照らしてくれた

美しいものを美しいと思うことの美しさが好きだった

光のち影のち光 永遠に変わり続ける人も世界も

咲いたから枯らすわけにもいかなくて外来種だと知りつつ育てる

春、それは過去を無かったことにして今から四季を始めるような

焼け野原だとして抱きしめていいか例え話じゃなくてもいいか

太陽を吸い込んでいるバスタオル昔のことを話してほしい

生き方に陰とか陽とかうるさいな(光の画家の絵が飾れない)

たくさんの光を浴びて死ねなくてドライフラワー作られてゆく

健康なときに契った約束を軽く恨んでいる前夜祭

お揃いで買ったカップがひとつだけ残されているのが答えです

雪解けはまだかかりそう 泥濘みはそう言うように泥濘んでいる

天候に左右されてる人類は右も左も分かっていない

この星は自ら光る方の星だから離れることにしたんだ

パンでいい?パンでいいよと僕たちはパンを温めつつ戻りゆく

笠原楓奏(ふーか)

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