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早すぎるアドバイスは、全く届かない。

「早すぎるアドバイス」という言葉を2−3年前に聞いたとき、たしかにー!ととても頷いたんですね。アドバイスをする側としても、される側としても。

例えば、何度いっても締め切りを過ぎたり申請ミスがある人には「ミスが無いように、事前チェックしてから提出してください」って言いたくなっちゃいません?

そして「される側」の場合、「いや、分かってるし」って内心思っちゃいません?

僕はとっても「あるある」でして、つい解決策が見えるとアドバイスをしたくなりますし、逆の立場で自分が悩んでいるときの早すぎるアドバイスには「分かってるし。でも出来ないんだ!」と気持ちがブロックしちゃうことがあります。(言ってもらえるのはとてもありがたいのですが)

「アドバイス」が機能しないワケ

的を得ているアドバイスをしているつもりなのに、相手に届かないのは一体どうしてなんでしょうか。

相手がアドバイス内容を理解できていないから?伝え方が悪いから?真面目に仕事に向き合っていないから?

…僕は恐らく、「何が本当の原因なのか分かっていない」そして、原因が分かっても「行動や変わることに恐れを感じている」からなのかなと、最近は思っています。

例えば「遅刻が多い」という改善したい状態があったとします。本人としても早く起きたい気持ちはあるけど、二度寝が辞められずに遅刻を繰り返してしまう。

このとき、遅刻の原因を「意識が低い」と設定すれば、解決策は「意識を持つ」です。「遅刻しないようにしよう!」とアドバイス当日は意識を高く持って布団に入ったとして、翌朝どうなるでしょうか。

僕は意識を持って就寝し、翌朝ぱっちりと目が覚めたことはありません。仮に2−3日は早起きが続いたとしても、4日目からは完全に元の状態に戻ってしまいます。(だらしない...だけ?)

原因を意識ではなく、夜ふかしをしてしまう生活習慣や入眠前にスマホを見る悪いクセにより、熟睡ができていないからだ。と設定すれば、入眠前1時間はスマホを控える、枕をフィットするものに変える、お風呂であたたまる...など、睡眠の質を高める早起きできる環境をつくるーーというように、解決策の精度と具体性は変わってくるはずです。

(ちなみに僕は社員旅行当日に寝坊してしまうほど朝が大の苦手なんですが、娘の小学校進学に伴い娘の起床時間が6時50分になったことで、見事に6時台に起床する習慣が身につきました。環境や他人の力はスゴイ。)

そして原因が分かったとしても、「できる」「し続ける」にはまだまだ距離があります。

実は、「仕事に行きたくない」、「人に会うのが怖い」とか、恐れや不安といった感情が前にすすむブレーキになっているのなら、切れ味の鋭いアドバイスよりも、「話を聴くこと」が効果的だと思うのです。

聞いて、聞いて、聞いて、問いかける

早すぎるアドバイスの代わりに懐に忍ばせておきたいのが、「聴く、問いかける」という全く反対のスタンスです。

聴いてもらえることで、自分の言葉で自分自身の置かれている状況や課題を話すため、状況整理になりますし、「そういえば、アレを忘れていた」「こんなこと感じていたんだ」と自分一人では得られない気づきがあるんですね。

自分が聴く側の立場の場合、次の4つのステップをグルグルしながら話を聴かせてもらうことが多いです。

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相手が悩んでいること、課題に感じていることを中心において、

【具体】もう少し詳しく聞かせて?
【思考】それをどう思ってるの?
【背景】どうして起こったんだろう?
【未来】これからどうしよう?

と聴いていくイメージです。

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アドバイスを届けたい相手が、自分の状況を本当に理解し、変化や行動を受け入れる状態ができてはじめて、アドバイスは機能するのだと思います。

つい、「どうするのがその人にとっていいか」が見えてしまうので、先回り先回りをしたくなりますが。

「イマイチ、アドバイスが刺さってないんだよな〜〜」と感じたときは、「早すぎるアドバイス」のサイン。

「何回言ったら分かるんだ!」感じた瞬間は要注意。

早すぎるアドバイスの代わりに「もう少し詳しく聞かせて?」という言葉を、懐からひょっこりと出してみてはどうでしょうか。

とはいえ、僕自身もなかなか家では実践できない...のが反省です。

「早すぎるアドバイス」は、数年前にTwitter上で見かけた言葉でした。Youtube動画でも「早すぎるアドバイスの罠」として紹介されていましたので、詳しく探究されたい方はご覧になってみてください。



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