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組織は「情報」で出来ている。

3ヶ月に一度くらい「調子が悪いなあ」と言う時期があります。(多いでしょうか?)何をやろうにも「よし、やるぞ」という意欲が湧きづらい。細かなミスが増える。

そんなとき、ないですか?

僕の場合、調子が悪いのは「情報のめぐりが悪い」とき。

とにかく目の前を通り過ぎるように出来ごとが過ぎ去っていって、振り返る時間も取れず、考えや気持ちの整理ができていないとき。自分の内側にどんどん溜まっていってしまって、対応スピードや思考力、意欲すらも落ちてしまうことがあります。

そんなときは極力、「誰かに話す」や「メモ帳に考えや気持ちを書く」ようにしていて、自分の内側の情報や気持ちを外に出すことでめぐりを良くする

すると次第に、吐き出したところに余白が生まれるからか、意欲が復活してくるのです。

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個人の集まりである組織も、うまく噛み合わない、調子が悪いなあと感じるときは、「情報のめぐりが悪い」かもしれません。

言わずもがな、組織はあらゆるところから集まる「情報」を頼りに、大切な意思決定をしています。例えば店舗を主体とする事業の場合、お客様と最も近いのは店舗で働くスタッフたちです。

多くは販売データで計測できるかもしれませんが、お客さんの動向や細やかな変化は、スタッフから寄せられる情報が頼りです。データと声をもとに、キャンペーン施策や商品開発にも活かされているはずです。

上司と部下、店舗と本社、営業と開発、人事と社員。あらゆる部門と階層をつなぐコミュニケーションパスを情報がめぐることで、複雑な状況の中でも本当の姿を浮かび上がらせながら、確度の高い意思決定ができるようになるのだと思います。

でも、情報のめぐりが悪くなるとどうか。

例えば、

・お客様から重要なクレームがあったけど、本社からの詰問が怖いので店舗の中にとどめておこう


・新しく導入された評価施策は若手からの不満が多いけど、人事部長はプライドが高く自分の評価にも関わるから黙っておこう

という具合に、重要な出来ごとや意見があったとしても、何かしらの理由で個人の内側に情報をとどめてしまえば、正しい姿が見えなくなり、意思決定の質も下がるはずです。

結果として、全社へ影響する重大なクレームにつながったりとか、優秀な若手が大量に離職したあとに評価施策の問題が明らかになったりとか、「情報のめぐりが悪い」ことによる弊害が出てしまいます。

組織で働く個人単位で見ても、言いたくても言えない、怖さや不安で相談できない...という状況、弱みを突かれないように隠そうとする行動自体がストレスにもなりますし、何より成果につながらない無駄な時間が増えてしまいます。

組織は情報で出来ているからこそ、「情報のめぐり」はとても大切だと思うんですね。

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「細かなミスが増えている気がする」
「最近、チームの士気が下がっているなあ」
「もう少し、成果を出せる人が集まってるはずなんだけど」

と、何か現状に対する違和感があるときは、もしかすると「情報のめぐりが悪い」ことが原因かもしれません。

いきなりコミュニケーションの量を増やそう!としても、時間もかかりますし、量を増やしても仕事の成果につながる重要な話し合いができるかと言えば、やっぱり遠慮や気づかい、言いづらさがあって難しい。

なのでまずは、1週間に10分でも、15分でも、いつもの会議や話し合いのモードと異なる対話の時間を設定してみてはどうでしょう?

ちょっと遠回りに感じる話し合いの中に、不調を打破するヒントがあるかもしれません。

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