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保育園に預ける方が子どもの能力を発達させられるから、育休は3年もいらない?

当時の安倍首相が「3年間抱っこし放題での職場復帰」を成長戦略のひとつとして掲げたのは2013年4月。
今のところ、育休3年にはなっていません。
育休は3年もいらないということで収まってしまったのでしょうか。
今回の記事では、育休は3年もいらないとの主張について考えてみました。

全6回
第1回「実際に3年も取得できない」
第2回「3年も取るとスキルを失う」
第3回「女性の活躍支援につながりにくい」
第4回「給付金がなくて3年も休んでいられない」
第5回「保育園に預ける方が子どもの能力を発達させられる」←今回はここ
第6回「産後3年間のことしか検討されていない」

「保育園に預ける方が子どもの能力を発達させられる」

子どもを保育園に預ける方が、子どもの言語能力を発達させる。

研究結果がそう示しています。

ただし、質の確保された保育園に預ける場合です。

子どもが両親だけと接するよりも、多くの大人に接することで様々な刺激を受け、能力が発達しやすくなるということでしょう。

だから、1歳から通える保育園を増やして、両親は仕事に。

納得できる点もありますが、問題点もあると思います。

保育士不足の悪化、保育園の学校化

1つ目の問題点は、保育園を増やせばさらに保育士不足が悪化するということ。

2つ目は、保育園に教育が強く求められ、学校化するようになってしまうことです。

条例以上に保育士が確保された保育園に預けたいとか、保育内容が子どもの能力を伸長させる保育内容の園を選ぼうとの思いが強くなります。

保育園選びで、自宅や職場に近いなどの地理的利便性よりも、どの保育園に預ければ子どもの能力を高めてもらえるかという教育的価値が重視されるようになってしまいます。

その結果、保育業務の変化によって保育士希望者が減少したり、保活が今よりも激しくなったりと悪循環に陥りそうです。

子どもの能力を伸ばすのは誰の役割か

多くの親は、子どもの能力をできるだけ伸ばしてあげたいと思っていることでしょう。

でも、子どもの能力を伸ばすのは、保育園の役割なのでしょうか。

私は親の役割だと思っています。

親は子どもを授かれば親として一人前ではありません。

子どもとともに親として成長していきます。

育児に専念できる3年の育休を、親として成長するための助走期間にするというのはどうでしょう。

保育園に任せるのではなく、親として自分の子どもの能力をどのように伸ばすのかを考えるための時間。

親自身が幼児教育を行うのではありません。

今だって多くの家庭が取り組んでいるようなことです。

読み聞かせ、リトミック、スイミング、体操、英会話、プログラミングなどを親子でたくさん経験する育休3年。

子どもにどのような環境を与えたらよいのか、自分の子どもにはどのような環境が合いそうなのかが少し見えてくるようになると思うのです。

わが子とともに経験することで見えてくる方向性

保育園に教育的価値を求めるよりも、すでに展開されている民間のノウハウを生かし、子どもの能力を向上させていく。

自治体は保育園の設置に税金を使うのではなく、外国人や転入住民の子育て支援、民生委員や児童委員による密接な子育て支援、民間の行う子育て支援事業の補助、乳幼児教育バウチャー制度導入などに力を入れてみてはどうでしょう。

保育園に能力の伸長を託すよりも、育休3年でわが子とともに様々な経験をする。

すると、わが子の能力をどのように伸ばしたらよいか、その方向性が見えるようになるかもしれません。

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