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【児童虐待と男性育休】虐待死 加害者の約55%は実母

男性育休が広まれば、児童虐待を減らすことができるか?
前回の記事で、虐待死の約半数は0歳児の赤ちゃんであることをお伝えしました。
実は、児童虐待の加害者の多くは実母。
その実態を調べてみました。

生まれた翌日から1歳の誕生日を迎えるまで

16年間で833人の心中以外の虐待死。

この心中以外の虐待死において、加害者の約55%は実母です。

次いで実父、義父と続きますが、実母が群を抜いています。

虐待死の事例の約25%に予期しない妊娠や計画していない妊娠、もしくは妊婦健康診査未受診などの状況が見られます。

また、約40%が家庭と地域社会との接触がほとんど無い事例です。

虐待死事件が起きたときの子どもの年齢や月齢を調べてみました。

833人の虐待死(2004年からの16年間、心中以外)
 ■3歳児以下 76.2%
 ■0歳児 47.4%
そのうち、0日目の赤ちゃんが約19%、1日目から1カ月目までが約3%、1カ月から1歳までが約26%。

社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会(2020)「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第16次報告)」より

約19%を占める0日目の赤ちゃんの虐待死は、育児以外の複雑な要因が絡んでいると捉え、差し引いてみても、0歳から1歳までの赤ちゃんの虐待死が最も多いことに変わりはありません。

虐待死の約29%は、生まれた翌日から1歳の誕生日を迎えるまでに起こっているのです。

虐待死した赤ちゃんの月齢と実母の年齢の関係

加害者の約55%を占める実母ですが、実母の年齢が関係している特徴的なケースがあります。

0日目の赤ちゃんと0カ月(日齢1日目以上月齢1カ月未満)の赤ちゃんの加害者は、約9割が実母です。

実母と実父の2人が加害者である場合も含めると、実母が関わった事例は約96%にも上ります。

ほとんどの事例で実母が加害者だと言えますが、0日目の赤ちゃんと0カ月の赤ちゃんの実母の年齢には違いがあります。

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0日目の赤ちゃんのでは、19歳以下と20~24歳の実母が約49%を占めています。

その特徴は、予期しない妊娠や計画していない妊娠をした若年層の実母が、誕生したその日に虐待死させるというケースです。

一方、0カ月の赤ちゃんでは、30~34歳と35~39歳の実母が約67%を占めています。

0カ月の赤ちゃんの虐待死の特徴は、育児における問題を抱えた30歳代の実母が虐待死をさせるケースになります。

3歳未満の虐待死では、実母が加害者の事例が50%超

子どもがどれくらいの年齢になるまで、実母が加害者となる事例が多いのかを調べてみました。

3歳未満の虐待死では、実母が加害者の事例が50%を超えて、最も多くなっています。

3歳以上の虐待死では、実父が関わる事例が増えてきます。

社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第16次報告)」ではだけでは十分に読み取れない部分もありますが、子どもの年齢が低いほど、虐待死の加害者が実母である事例が多いと読み取れます。

やや強引に読み取れば、3歳よりも2歳で、2歳よりも1歳で、1歳よりも0歳で、実母が加害者となっているということになります。

なぜ、実母が加害者となってしまうのでしょうか?

実母は、どのような理由、動機で虐待をしてしまうのでしょうか。




2/6回
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