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【児童虐待と男性育休】虐待死の約半数は0歳児の赤ちゃん

男性育休が広まれば、児童虐待を減らすことができるか?
まず、児童虐待について調べてみることにしました。

児童虐待事件2133件、死亡61人(2020年)

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大変残念なことに、高い頻度で児童虐待に関するニュースを耳にします。

警察庁の発表では、2020年(R2)に摘発した児童虐待事件は2133件。

被害児童数は2172人。

どちらも過去最高。

児童虐待による死亡は61人。

検挙件数が、2003年(H15)に比べて約10倍になったことで、死亡事件を約6割に減らすことができていると見ることもできます。

(1) 両親による保護責任者遺棄致死事件(埼玉)
 平成 29 年 12 月、実父(30 歳)及び実母(28 歳)は、自宅において長女(当時4歳)を十分な食事を与えず放置するなどして死亡させた。令和2年3月、両親を保護責任者遺棄致死罪で検挙した。
(2) 実母による保護責任者遺棄事件(千葉)
 令和2年1月、実母(23 歳)は、自宅において次女(当時 10 か月)を十分な食事を与えず放置するなどして死亡させた。同年6月、実母を保護責任者遺棄罪で検挙した。
(3) 実母による保護責任者遺棄致死事件(警視庁)
 令和2年6月、実母(24 歳)は、自宅において長女(当時3歳)を十分な食事を与えず放置するなどして死亡させた。同月、実母を保護責任者遺棄致死罪で検挙した。
(4) 継父等による傷害致死事件(福岡)
 令和2年8月、継父(23 歳)及び実母(22 歳)は、自宅において長男(当時3歳)を頭部を打撲するなどの暴行を加え死亡させた。同月以降、継父を傷害罪等で、実母を傷害致死罪等でそれぞれ検挙した。
(5) 実母による保護責任者遺棄致死事件(香川)
 令和2年9月、実母(26 歳)は、駐車場に駐車中の車両内に長女(当時6歳)及び次女(当時3歳)を放置して死亡させた。同月、実母を保護責任者遺棄致死罪で検挙した。

警察庁生活安全局少年課(2021年3月)「令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況

どの事件もニュースになり、耳にした気がします。

できることなら、死亡させてしまう前に、わが子を手放し、他の人に預けてほしかったと感じてしまいます。

当事者である親は、客観的な判断ができない心理状態に陥っているでしょうから、このままではわが子を傷つけてしまうから他の人に預けようとは考えられないことでしょう。

社会として児童虐待をどのように防いだらよいか、私には良いアイデアを考えることはできません。

でも、男性育休の視点から、児童虐待について少し考えてみたいと思います。

児童虐待とは

児童虐待には、身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト、性的虐待があるそうです。

■身体的虐待
殴る、蹴る、風呂に沈める、首を絞める、やけどをさせる、冬に戸外に閉め出すなどの暴行行為

■心理的虐待
大声や脅しなどで恐怖を与える、無視や拒否的な態度をとる、きょうだい間で著しい差別をする、自尊心を傷つける言葉を繰り返すなどの行為

■ネグレクト
子どもを家に残して外出する、食事を与えない、着替えをさせない、情緒的な欲求に応えない、遺棄するなどの行為
知識不足による不適切なミルク量、パチンコ中の車内への放置など
病気でも病院に連れて行かない医療ネグレクト

■性的虐待
性的な行為を強要する、性器や性交を見せるなどの行為

833人の虐待死のうち、0歳児の割合は47.4%

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社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第16次報告)」によると、2019年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数は約16万件で、過去最多を更新しました。

相談対応件数は、毎年度、過去最多を更新し続けています。

一方、児童虐待による死亡事例は、2019年度に73人で、そのうち、心中以外の虐待死は54人です。

児童相談所への相談件数は毎年度かなりの増加が見られますが、死亡事例に増加傾向は見られません。

2004年からの16年間に、心中以外の虐待死は、833人。

平均すると、1年あたり約52人の虐待死が起きていることになります。

ものすごい人数です。

この数字を見ただけでも、大きな衝撃を受けます。

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また、833人の虐待死のうち、3歳児以下の割合は76.2%です。

0歳児の割合は47.4%(395人)。

衝撃的なことに、虐待死している子どものうち、約19%(156人)が0日目の赤ちゃん。

約3%(24人)が1日目から1カ月目の赤ちゃん。

約26%(215人)が1カ月から1歳までの赤ちゃんとなっています。

虐待死の約半数は0歳児の赤ちゃんだということが分かりました。

母親がいつも一緒にいるにも関わらず

私の児童虐待のイメージは、育児に関わった父親がイライラして手を挙げるとか、実母のいない間に連れ子を嫌っている義父が酷い虐待を繰り返すような感じです。

2019年のおける、女性の育児休業給付金の支給期間は11.7カ月。

母親はほぼ1年、0歳児の赤ちゃんと一緒に過ごしていることになります。

母親がいつも一緒にいるにも関わらず、虐待死が起きてしまう現実。

むむむ?

母親がいつも一緒にいるから、起きてしまうのかも???



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