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折り紙のワシとカエルの話。

夏休みに入った。娘は手先が器用なので毎日なにかしら作っている。

我が家になくてはならないものリストを上げると、折り紙・画用紙・のり・はさみ・マスキングテープ・絵具・マーカーペン・くれよん・・・・これらを駆使して娘は創作活動にはげんでいる。

昨日は折り紙でハトを折ったらワシっぽく仕上がったらしい。
薄茶色の折り紙の色のせいだとは思うが、娘はそれをみて、獲物を作らなければいけないと言い、慌ててYouTubeに、カエル 折り紙 簡単 と話しかけた。iPadも使いこなせている、私の母にもできないことを娘はしている。今の子はすごい。

そして急いでカエルを作った。真っ赤の毒々しいカエルである。私はそこにもセンスを感じた。そこに黒いマジックでカエルと書いて、こうすれば見つけやすくなるからね!と自信満々に言った。カエルには申し訳ないが、娘がそういう目的で作ってしまったので、ワシの犠牲になってもらうよりほかない。

そのカエルの背中にわざわざセロパンテープを輪にしたものを貼って、ワシが確実に仕留められるようにしていた。

準備が整った。ワシが娘と共にソファーから飛び降りる。まつげがばさばさの可愛いワシがカエルを狙っている。娘のばっさ、ばっさという実況付き。

無事にセロハンテープがワシに引っ付く。そして娘が、なんだぁこのカエル、すっごく酸っぱそうだ!カリカリ梅と同じにおいがするぞっ!!!!と控えめに叫んだ。それを見ていた私は、え??と思った。意表を突かれた!が、娘の顔は真剣だった。

そして、酸っぱいのはいらないぞっ!と言ってカエルを捨て、またばっさばっさと言いながらソファーに戻っていった。カエルはひっくり返り、床にひっついている。また、予想外のことが起きた。私は、笑った。

娘の中の台本通りだったのだろうか。それを考えながら、赤い折り紙を選んだのだろうか。それとも思いつき?どっちにしろ、最高すぎやしませんか。親バカと言われたってかまわない。

一連の流れを見て、自然の摂理をよくわかっていると母は感心した。パパが帰ってきてからすごいのを作ったということ教えてあげよう!と娘に提案した。

娘はう~ん、まあ、いいかな。しかたないからパパにも教えてあげよう、といそいそと玄関に持って行った。その顔は嬉しそうで、夫にも褒められるだろうな、しめしめ。というような顔だった。娘は夫に褒められると、アイスを買ってもらえると思っている。夫はアイスの人なのだ。

夫が帰ってくると、いつもは玄関まで出てこない娘がワシとカエルを持って立っていたので、夫は喜んだ。車から傘を差さずに出てきてずぶ濡れだったので、娘に待って、それ触らないでと言われていたけど、それでも夫は褒め続けた。触らないでと言われても、幸せそうな夫を見て、私はせめて晴れていればなぁと思った。次の休みに31に行こうとお風呂上がりの夫が言っていた。

娘は今日、キッチンタオルを同じサイズに切って、ノリで貼り重ねるということを繰り返している。母には、なにが完成するのか見当もつかない。


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