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未来への目線あふれる福島ホープツーリズム

日本最大の観光ガイドエージェンシー『Japan Guide Agency』を運営する、JGA株式会社 代表の藤原です。JGAでは「あらゆる体験をすべての人に」をパーパス(目的・存在意義)に掲げ、全国で訪日外国人向けプライベートガイドツアーを催行しています。

ホープツーリズムは地域感情に配慮しながらも外部とつながり、未来にむけて前進しようとする福島県の取り組みです。

未来を見つめるホープツーリズム

福島県では震災遺構をめぐる「ホープツーリズム」を提唱しています。

福島県は、世界で類を見ない「複合災害(地震・津波・原子力災害)」を経験した唯一の場所。複合災害の教訓等から「持続可能な社会・地域づくりを探究・創造する」福島オンリーワンの新しいスタディツアープログラムです。

https://www.hopetourism.jp/about.html

災害被災跡地や戦争跡地など、人類の死や悲しみを対象にした観光を「ダークツーリズム」と呼びます。ダークツーリズムは悲惨な記憶をたどることで犠牲者を追悼し、地域の悲しみを共有しようとする観光の形態です。ニューヨークのグラウンドゼロやアウシュヴィッツ収容所跡、国内では沖縄戦績や広島の原爆遺構などがダークツーリズムのデスティネーションとされます。

私はこの「ダークツーリズム」ということばが好きではありません。そのことばには現在から過去への視線だけがあり、未来への眼差しが欠けているからです。

実際広島は、国内外の来訪者と市民が平和への思いを共有することを目的とした「ピースツーリズム」を提唱しています。

福島県がはじめた「ホープツーリズム」も同様に、過去の悲惨な現実にとどまることなく、地域に寄り添い、復興への希望をつうじて福島の未来を照射する取り組みといえます。

観光ではなくツーリズム

広く「観光」ということばは、娯楽や好奇心と深く結びついた物見遊山的イメージを想起させます。しかし、ホープツーリズムでは「観光」ということばは使われません。ホープツーリズムが紹介するプログラム内容や施設は、一般に「観光」にカテゴライズされるものでありながら、「ツーリズム」ということばを選択したところに犠牲者やその家族、地域全体への深い配慮を感じます。

観光地化は、ただでさえ地域の犠牲をともないます。偏見に満ちた観光客を含め、あらゆる人々の視線と干渉を無条件に受け入れることを意味するからです。福島県による「ホープツーリズム」の提唱は、福島県民の地域感情に寄り添いながらも、外部の人を受け入れ前進しようとする試みといえます。

東電廃炉資料館

福島は希望あふれるデスティネーションになる

チェルノブイリはウクライナで最も有名な地名のひとつです。そのチェルノブイリはロシアの軍事侵攻が起こる前までは多くのツーリストを受け入れる大観光地でした。

事実として、福島も今や最も有名な日本の地名のひとつです。
福島ホープツーリズムは、地域が負った悲しみを外部に共有するきっかけになるでしょう。同時に福島への来訪者は否応なく、今もその土地で暮らす人々の現在をめぐることになります。そのときはじめて、その土地にも自分たち同様、未来につながる現在の暮らしが存在していることに気づくのです。

福島に起こった悲惨な出来事は外部からの視線を過去に固着させてしまいます。その土地と来訪者がツーリズムをつうじて普遍的なつながりを持ち、来訪者をつうじてその土地と外部がつながること。そこでようやく、外部の人々は福島の現在と未来に目をむけ、ともに前進をはじめることができるように思います。

被災地を「観光」として訪れることに違和感や反発を抱くのは受け入れ地域側だけではありません。訪れる側にも覚悟が必要になります。福島県が「観光」ということばを使わず、「ホープツーリズム」ということばを掲げてくれたことは、地域内外それぞれにとって幸福なことだったといえます。

ホープツーリズムということばには、未来への目線があふれています。

大平山霊園から請戸小学校をのぞむ

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社名:JGA株式会社
静岡県知事登録旅行業 第2-706号
本社:静岡県静岡市清水区江尻東2-67-3
設立:2013年
​資本金:1,000万円
代表取締役:藤原 一成

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