「オオオニバス」のマイクロノベル 他3篇 #98
オオオニバスの葉の上に座るというのは、つまり宇宙の上に座るということだ。わかるか。ダークマターの湖に浮かぶ小宇宙の葉、そこに静かに座る。大人にはできないから、銀河皇帝の座につく前に経験しておくといい。
有機宇宙、すなわち生命体が発生した宇宙を維持するのは困難を極める。放置しておくと、なぜか滅亡への道を歩んでいく。かといって、介入してしまうのは悪手だ。今度は、うまくいくだろうか。神はふと、神に祈った。
ペチュニア・ナイトスカイの花から、見たこともない虫が次々と湧き出してくる。文字通り花弁にできたワームホールを通り抜けてくるらしい。この花がどの世界につながっているか、近々超小型探査機が送られる予定だ。
セスジスズメの幼虫は、夜空を食べて成長すると報告したのは、セルゲーニャ博士だったと記憶する。いまは検索しても見つからない。これに寄生するスズメヤドリコマユバチが超新星爆発を起こしたためと噂されている。
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