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「奇想天外」のマイクロノベル 他3篇 #90
ナミブ砂漠に生える一科一属一種の植物、奇想天外。二枚の葉だけが、一年に十センチ程度生長を続け、千年以上を生きるという。人の一生は、奇想天外にとって数メートルの葉の時間。探検家ウェルウィッチが見つけた。
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伊勢撫子は江戸時代に作出され、門外不出の献上品でもあった。長く垂れ下がった花弁は傷みやすく、保護のため室内において鑑賞した。うちの先祖は、その花弁を丁寧にほぐして花を整える職にあったという。誇らしい。
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蒲公英綿毛数役(たんぽぽわたげかぞえやく)を拝命して五十年。こうして、朝一番に見つけた綿毛を読んで、即座にその数が素数であるかどうかを判別する。その技を習得するのに三十年。ようやく後継者ができた。素数ゼミの年であるのも感慨深い。
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タイサンボクが光ってる、大きな……も光ってる♪ いつだったか聴いた、児童合唱団が歌っているフレーズがときどき脳内をこだまするのだけれど、歌詞検索をしてみてもそんな歌は見つからない。幻のタイサンボクの歌。
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