禁止の看板のマイクロノベル 他3篇 #49
もう何が禁止だったかすらわからなくなり、念のためすべてが禁止されていた。「それってもしかしたら、大きなマイナスネジあります、の看板じゃないですか」その一言が世界を開放し、自由の光が射したということだ。
テッセンというのは、蔓が鉄のように丈夫だからついた名だ。だから、蔓におまえは鉄だと言いくるめて製錬すれば、なんとテッセンから鉄が取れる。これから造った包丁に魅了され、世界中の料理人が買いくるという。
カマキリの保護対策にはこの鍵が重要でね、外れてないか確認しているんだ。一部の針金はいつの間にか逃げ出して野生化し、やがて分裂してハリガネムシとなる。そして、カマキリに寄生してしまう危険があるからね。
こうやって三次元の色のある世界を、色のない平面へと変換して情報量を減らすと、一つの世界に三十七個ぐらいの世界を納めることができる。もし不要なら、束ねて縛っておけば廃世界回収車がちり紙と交換してくれる。
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