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17.初日から絶望のストロベリーファーム

このファームは、日本人と韓国人が半々で、台湾人が少しという、完全にアジア人ばかりのファームだ。

僕たちの住む部屋は3人部屋で、部屋にはシングルベッドが3つと、ビジネスホテルにあるような小さな冷蔵庫が一つとエアコンがあるだけの部屋だ。

僕とシンと、このファームですでに3ヶ月ほど働いている日本人が同じ部屋になった。

とりあえず荷物を置いて、コントラクターからキッチンやシャワーの場所などの案内をしてもらった。

驚いたのは、シャワーだ。

シャワーは、トークンというコインを1枚入れるとお湯が出るのだが、制限時間が決まっており、その時間わずか5分。

5分で頭と顔と体を洗ってトリートメントをしなければならない。男の僕でも無理だと思ったが、女の子はかなり厳しいのではないか。

そのトークンが最初に10枚渡されて、次の週になると、レント代と交換でトークンが貰える仕組みだ。

一番初めにシャワーを使った時は、シャンプー中にお湯が止まったたため、しょうがなくもう1枚トークンを使った。

ちなみに、シャワーの水からお湯になるまでに30秒ほどかかるため、実際にシャワーを浴びれるのは4分30秒である。

ただ、このシャワーもすぐに5分という短い時間でも全て洗い終えることができるようになった。人間慣れればなんだってできるものだ。

一通り施設の案内が終わって、コントラクターのサンは帰って行ったと同時に、ファームの仕事を終えた人たちが戻って来た。

その中の日本人男性が挨拶してくる。

『こんにちはー、日本人ですか?』男

『こんにちは、はい、さっきついたところです』僕

『そうなんだ、俺、ここのトップピッカー、よろしくー』男

トップピッカーとは、ファームの中で一番稼いでいる人のことだ。

『トップピッカーなんですね!どれぐらい稼げるんですか?』僕

『あー、残念だけど、今は稼げないよ。2週間ぐらい前にピークが終わったからね。だから俺は明日ここを出て行くんだ。』男

『まじすか・・・』

僕とシンは顔を見合わせた。

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