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the Stupid iPad-man quit owning two divices/Apple Music Classical、好きです/2022年のセイバートゥース誌をやっと読んだ/AVENGERS INC.誌! 待ってましたこの展開/読みました: 『女優エヴリンの七人の夫』/読んでます: 『化学の授業をはじめます。』/etc

 数年前にひょんなこと(*1)からiPad2台持ちになって(*2)以降、2枚使いを続けてきました。用途を分けるでもなく、何処へ行くにも2台かついでのし歩くその姿は各所で「Apple信者の中でもコイツはとりわけ愚かなほう」と笑われてきたけれど、少し前から再び単体での運用に切り替えています。昨秋のOSアップデートでステージマネージャー(Appのウィンドウ管理機能)がだいぶいい感じになり、1台だけで充分マルチタスク対応できるようになったのですね。そう遠くないうちに買替を検討する時期が来そうなのでそれも見据えて、というのもありますが。
 1台体制にして初めてわかったこと。
 iPadは、2台よりも1台の方が、圧倒的に、軽い!!

壁紙は〝楽しく学ぼう 良い子のクラコア文字早見表〟
(結局最後までクラコア語を読めるようにはなりませんでしたね。)

 このように、しばしばよくわからない遠回りをしながら、究極のiPad利用スタイルを日々追求しております。声を大にして言っておきたいのは、iCloudの同期がなかなか優秀なおかげで、2台あっても持て余すようなことはなかったよということ。大きく2画面を使えるおかげで助かった場面も多い。ご用の向き、重い物が苦にならない方には、今なお全然オススメできるスタイルです。

 *1 ある夏、ついカッとなった。気付くと2台目を買っていた
 *2 『実はこの時さらにもう1台買っていて、さすがにそれは人に譲ったらしい』という説もあります。恥ずかしくてよく憶えていません


 先日リリースされたApple Music Classical、楽しませてもらっています。

話題の並び方がなんかこう、マジのAppleファンみたいでアレですが、
ぼくはiPadヘビーユーザーな一方でMacに触ったことはほとんどありません。

 もともとキュレーションに関してはSpotifyより手厚い印象のあったApple Music、特にクラシックはこれまでのインターフェース下においても最大限の範囲でフォローしようとしている節は見てとれたので、さらにジャンルに特化したAppの登場は熱い!
 既存のものよりも個別ページの切り分けがさらに細かく、作曲家/プレイヤーだけでなく作品別にも項目立てされており、系統立てて掘り下げやすくなったのがよい。ポップス/歌謡曲やヒップホップなんかでもこういうことができるようになったら楽しそうだけど、それはさすがにかしら。

 高音質ストリーミングオンリー/シャッフル再生や曲順の入替は不可/ステーション機能無し、などの『腰を据えて〝その作品〟を聴いてね』的設計思想も好きです。
 とは言いつつ自分はサブスク以降のスタイルに完全に毒されてもいるので、気に入った音源が見つかったら、一通り通して聴いたあとでSpotifyに飛び、今度はその音源を中心にした超長尺プレイリストを作ってシャッフル再生もする。処置なし。


 引き続き、毎週何シリーズも刊行されるX-MENを追いかけるのに四苦八苦しています。よもやエニグマも、時間と空間の外のそのまた外で、買い求めるオブXと積み上げるオブX(読み方: テン/ただし大幅にサバを読んでいる可能性がある)の2部構成でやってるヤツがいるとは思いますまい。
 とにかく全誌買うには買って、一部はリアルタイムで読むけれど、いっぽうで遥かに周回遅れなシリーズもまあまああるという有様。あきらめずに、Kindleライブラリ既読数でのドミニオン到達を目指します。

 で、ウルヴァリン誌の最終章『SABRETOOTH WAR』を読む前に——そもそも当のウルヴァリン誌もその手前の号をまあまあの数積んでるのですがそこは後回しで——まずこちらを読んでおいた方がよさそうだと直感し、序章にあたる2022年のセイバートゥース誌と、続くセイバートゥース・アンド・ジ・エグザイルズ誌を一気読みしました。

SABRETOOTH (2022) # 1-5
SABRETOOTH & THE EXILES (2022) # 1-5
by Victor Lavalle & Leonard Kirk

 ミュータント国家クラコアの誕生からまもなく、セイバートゥース/ヴィクター・クリードはその法を侵した最初のミュータントとして〝ピット〟に堕とされた。
 サイファーとの取引でささやかな温情措置を受け、深い穴の底に囚われながら精神の自由を得たクリードは、内なる世界で永遠の殺戮を謳歌し、ひとり地獄の玉座に落ち着く。しかし、クラコアの法に触れた新たなミュータントたちが〝ピット〟に送り込まれたことをきっかけに、地獄の王は狡猾な獣人の顔を取り戻す。居場所を失くした受刑者たちを利用して地上への脱出をはかるセイバートゥース。その腹の底では、すべてのミュータントへの復讐計画が蠢いている——。

 切れ者けだものセイバートゥースの面目躍如、ピット内外を掻き回しての脱出行が前半の読みどころ。「精神体の状態でクラコア内を歩き回るクリードが何人にも目撃されるが、セイバートゥースといえばミュータントが見る怖い夢の定番だったので最初はただの悪夢と片付けられた」というくだりがおかしい。
 でも、Xタイトルとしての結構を保つのは、クラコアンドリームの影を踏んでピット送りになったイディー、ネクラら受刑者たち! こういう弾かれ者・曳かれ者のXチームがぼくはやっぱり大好きです。エグザイルズ誌でクリード追跡の任を与えられるこのチームを指して、作中でも〝exiles〟という言葉が何度も使われるけども、実はタイトルロールとしてのTHE EXILESは彼女たちではなくて…というのが最後にわかるツイストのかけ方も、じつに厭な感じでおもしろい。
 ナニーとオーファンメイカーが合流するヘリオンズ誌からの流れや、チルドレンオブジアトム誌からDr.バリントンの再登場など、クラコア期の渋いところを拾い、さらなる展開を示唆してくれるのも嬉しい。読んでおいてよかった!

 で、さっそくセイバートゥース・ウォーのほうも読んでますけど、これちょっとエグすぎやしませんか?


AVENGERS INC. #5
by Al Ewing & Leonard Kirk

 感想だけ走り書き。アル・ユーイングのアントマン&ワスプサーガ、ひとまずの完結編。ジャネットと天敵ワールウィンドの体に宿った別人格ヴィクター・シェイドの異色バディストーリー、ヒーロー社会を舞にした調査・探偵物のフォーマットもだんだんノってきててよかったんですが、最終的にはANT-MAN誌からの流れと合流してウルトロンvsオールアントマン&ワスプの総力戦に。前作まで出番の無かったヴィジョンやスティンガーまで呼んできたのは高ポイント。でも、なによりかにより、とにもかくにも。UNSTOPPABLE WASP誌読者としては果たしてこの展開を何年待ったか? ハンク・ピムをめぐる諸問題に終止符を打てる存在として、ナディアの出番をとっておいてくれたのが素晴らしすぎる! サンキューユーイング、おめでとうウィットリー、やったねウェイド。欲を言えば、もう少しイベントとして大ごとにしてくれてもよかったというか、より多くのMARVEL読者の目にちゃんと焼き付けてほしかったというのはあるけれども、ここで完全には決着をつけず、良い形で今後に希望(hope)を繋げているのはありがたいかぎり。ファミリーツリーの新展開もUNSTOPPABLE WASP Vol.2 ♯7を彷彿させてよかったですね。ANT-VENGERS誌(仮)、出ると信じて楽しみに待ってます。


 ちょっと日にちが経ってしまったけど、ヤーレンズのオールナイトニッポン0が面白かった。M-1で結果出したときと同等かそれ以上の大反響を生んでいて、こっそりファンとしても嬉しかった一方、GERA『ラジオの虎』も毎週このクオリティで配信しているのに、お笑い好きの方たちの間にもあまり浸透してなかったっぽいのは意外。だし、それがたった一回の深夜放送であっさり見つかってバズってしまうのはさすがのANNブランド。春以降何かに繋がってほしい!

 これもちょっと日にちが経っちゃった、ダウ90000のクリスマスライブも観ました。2021年のM-1予選で知って以降、すべて配信ではあるものの、彼ら主催の催しは第二回公演『旅館じゃないんだからさ』を除いて殆どすべて観てるはず。ただし、ものぐさ a.k.a.〝遅配信〟勢なので、毎回公開終了寸前・分単位のギリギリまで鑑賞を寝かせてしまう。不要な緊張感がともなうのでオススメはしません。今回はあの名作コント「バーカウンター」を久々に観られてよかった。


テイラー・ジェンキンス・リード『女優エヴリンの七人の夫』
(喜須海理子 訳、二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

 7回結婚した彼女が真実に愛する人は?
 ハリウッド黄金期に活躍した大女優が人生の最期に明かした秘密と贖罪の物語

  雑誌『ヴィヴァン』の新人記者モニークは、隠遁生活を送る往年の大女優エヴリン・ヒューゴの独占取材を任される。エヴリン自らがモニークを指名してきたというのだ。なぜ自分が選ばれたのか困惑しながらも、モニークは女優が住むマンハッタンの高級アパートメントに向かった。現在79歳のエヴリンはスキャンダラスな女優として一時代を築き、七度に及ぶ結婚生活を送ったが、その波乱に満ちた伝記を死後出版するよう提案してきた。とまどいながらも同意したモニークは、悲しすぎる事実を知ることに……

 テイラー・ジェンキンス・リード、『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』の一つ前に書かれた長篇とのことで、なるほど、大半をエヴリンからの聞き書き、合間にモニークの視点が挟まるこの形式を突き詰めて、完全に〝インタビュー本〟の体裁にまでタイト化/多層化したのが『デイジー・ジョーンズ』のスタイルということになりましょうか。
 絢爛豪華な大女優一代記であり、ハリウッドものロマンスの新しいスタンダードであり。『デイジー・ジョーンズ』同様、リードの書きぶりは映像喚起力がやたら高く、長さも感じさせない。電子で読んだのだけど、文庫では700頁超えと聞いて少し驚いたぐらい。名画座に一晩籠ったような気分でうっとりと読了、他作品もどんどん訳して!

『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』は一昨年のマイベスト本でした。映像化に合わせて音源化された『オーロラ』は、昨年の自分のベストプレイリストに入れてます。


 さて、ただいまはボニー・ガルマス『化学の授業をはじめます。』(鈴木美朋 訳、文藝春秋)をもりもり読んでます。話題沸騰の1冊、こいつが滅法おもしろい。ぜひみんなで読みましょう。

 舞台は1960年代アメリカ。才能ある化学の研究者エリザベスは、いまだ保守的な男社会の科学界で奮闘するが、無能な上司・同僚からのいやがらせ、セクハラの果てに、研究所から放り出されてしまう。無職・未婚のシングルマザーになってしまった彼女がひょんなことからゲットした仕事、それはテレビの料理番組「午後六時に夕食を」で料理を指南する出演者だった。「セクシーに、男性の気を引く料理を」というテレビ局の要望を無視して、科学的に料理を説くエリザベス。しかし意外にも、それが視聴者の心をつかんでいく……。

 40%ほど読んだ時点で上記の本筋にまだ辿り着かないんですけど、ときにウッドハウスとかジェロームみたいなタッチも感じさせるユーモアのきらめきがうれしい序盤。今日的な視点の下で展開されるロマンティックコメディ、かと思えばいきなり本格スポーツ小説になりかけたりもして……。一方、エリザベスを圧し潰そうとする斯界の男性優位の構造も物語の背景に絶えずくっきり見えているので、ただただニコニコ読んでもいられない。
 そして読み物の中の犬を愛してきた向きにとっては新星登場といっていい、エリザベスに寄り添う名犬シックス=サーティがとにかくキュート。最高。
 ただいま18章、このまま続き行きます。


 ある日のお昼休み、何の気なしに聴き始めて、落涙しかけてしまった。

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