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わくわく建築vol.2を終えて

こんばんは、藤沢うるうです。
noteに最近投稿してないな、と思いながらいつもTwitterにつぶやいてしまうので、たまにはnoteに書こう!と踏ん張って書いています。
感情の最高瞬間風速をつぶやくTwitterと違って、(ある程度)冷静な状態で書くとどうしても堅苦しい文章になってしまうのはご愛嬌、ということで読んでいただければと思います。全然堅い話ではないです!

先日4/15(土)に「わくわく建築」と称して、大阪でイベントを実施したときのレポートです。

わくわく建築について

「わくわく建築」とは何かというと、歴史ある建築を見る機会を得て建物に対する愛着を増やし、建物ファンや建物ファン同士のつながりを増やしていきたい!そして失われつつある歴史ある建築を少しでも生きながらえるようになにか活動したい!という考えで意気投合したコジマユイ(@kjmue)さんと作ったイベントの名前であり、私とコジマユイさんの2人のユニット名でもあります。

今年1月には東京池袋にある自由学園明日館で第1回を開催し、2回目の今回の開催場所として選んだのが大阪にある旧銭湯「源ヶ橋温泉」でした。

自由学園明日館

源ヶ橋温泉について

会場となった「源ヶ橋温泉」は大阪市生野区にある1937年(昭和12年)ころに建てたれた公衆浴場で、銭湯(しかも現役)としては初めて登録有形文化財にもなった貴重な建物です。

この源ヶ橋温泉は2019年に惜しまれつつも閉業し、現在は旧銭湯となってしまいましたが、イケフェス大阪を始め文化・アートイベント等で年に何度か公開されています。
外装内装ともに面白い建物だという話と、こうしたイベントで貸し出してくれるという話を聞き、私達もここでイベントをしたい!となり、オーナーにコンタクトを取り、今回の開催となりました。

源ヶ橋温泉へは、大阪環状線の寺田町駅から生野本通商店街を進むと横に抜ける路地が見え、そこから30mほど奥まったところに見えてきます。オレンジがかったスパニッシュっぽい屋根瓦の上には鯱が、2階には温泉マークを持つ1対の自由の女神、その両サイドには丸窓。銭湯らしからぬ風貌をした銭湯であることは疑う余地もありません。

玄関に近づくと橋の親柱のような装飾が。源ヶ橋という橋が実際にあったのかは定かではないですが、このあたりは昔「東成郡生野村大字林寺字源ヶ橋」という地名があり、これが源ヶ橋温泉の名の由来になったと思われます。

中に入ってみるとその華美な脱衣場と、ミニ庭園が目に入ります。かつては1日に千人単位で人が訪れることもあったとか。

女湯の方からは2階へあがることができるようになっていて、急な階段を登っていくと洋風の広い部屋があります。ここはかつてビリヤード場やレストランとして使われていました。

2階への階段は結構急だ。手前と奥で建設時期が異なる。
2階の玄関部。タイルがきれい。
窓上部はカラーセロハンが貼られている。

目を引く見た目の建物、庭園もあり娯楽もあり。銭湯がハレの日の場所であったことを物語っています。見どころの多い建物で文化財になったのも然り、といった出で立ちです。

実は私もコジマもこの建物には訪れたことがなく、会場は当日の朝に初めてお目にかかりました。建築を見るためのイベントということで大きな道具の準備等は必要ありませんでしたが、下見等々大阪在住の方々に協力を仰ぎながら準備をしてきました。

第1部 トークショー

今回のわくわく建築は2部建てで前半はトークショー、後半は自由見学という構成でした。

前半は電気風呂鑑定士のけんちんさん、銭湯好きフリーライターの林宏樹さん、近代銭湯史家のワ田/和田優人さんという3名の銭湯マニアを招待し、トークショーを実施しました。

40名の枠で当日までには埋まるかな~などと思っていましたが、3日でSoldOut。追加で募集をし、最終的に50名の参加申し込みをいただきました。銭湯界隈の裾野の広さを感じましたね…。
当日、実際に椅子を配置し座布団を敷いてみると50名は少しギリギリ、なんとか座席を確保できました。(参加された方は少し狭かったかもしれないです…)

前半のけんちんさんからは電気風呂について大いに語っていただきました。電気風呂の歴史から電気風呂の入り方、果てはメーカーの見分け方まで軽快なトークで聞き手を笑いに誘いながら大いに盛り上がりました。

図説・電気風呂の入り方

後半は林さんとワ田さんによる源ヶ橋温泉の歴史について。古地図や古写真で振り返りつつ銭湯建築に関わったとされる人物を紐解いておりました。ワ田さんは、銭湯好きが高じて銭湯専門の工務店に転職したという異色の経歴の持ち主で、最後には、源ヶ橋温泉で結婚式の前撮り写真を見せて会場を沸かせていました。

トークショーの最後にはオーナーの中島さんにも登壇していただき、若かりし時の思い出や文化財登録前後などのお話を聞かせていただき、最後は参加者の盛大な拍手で幕を閉じました。

オーナーの中島さん

この日の参加者はどちらかと言えば銭湯好きより建物好きが多かったと思いますが、銭湯・電気風呂に行ってみたいという声も多く聞こえ、銭湯の魅力が大いに伝わったことでしょう。

第2部 自由見学

トークショーのあとは自由見学。来場者の方には脱衣所、浴室、2階と思い思いに建物を見ていただきました。

あいにくの雨にも関わらず、トークショーでは48名、午後からも90名(+子どもたち)が参加し、総勢約150名が来てくださいました。

ほぼTwitterでしか宣伝してなかったので、どの程度の集まるか分かりませんでしたが、普段よくしてもらっている方々中心に多くの方に来ていただきました。遠くは千葉や埼玉から夜行バスで来てくれた方々までっ!

また、登壇者のフォロワーにも広めていただいたおかげで、銭湯界隈(といっていいのか)の人たちにも多く来ていただけました。
#どうやら同じ日に別の銭湯でもイベントをやっていたらしく、界隈では「どちらに行こう…」という話でもちきりだったとか。

近隣にお住いのおばちゃんから「今日は(風呂に)入れるの?」と聞かれ、スタッフを慌てさせる場面もありました笑

私といえば午前も午後もてんてこまいで、設営から最初の挨拶、タイムキープしつつ、お昼を食べつつ、トークショーの片付けをして、いろんな人に挨拶して、会場まわりつつで、ほとんどじっくり見て回れることはできませんでした。

初回のわくわく建築でも「建物を一番じっくりみてやろう!」と意気込んで準備をしたのに、当日は全然写真を撮れなかったのを思い出し、一人で「全然反省してねーな」などと思い返しています。

でも建築ファン同士の繋がりを作ることもまた一つの目的ですから、Twitterで仲良くなった人たちとこうして対面できる、はじめまして同士の人たちが繋がる、というのは大変刺激のある1日でした◎

さいごに

オーナーの中島さん、トークショーしてくださったけんちんさん、林 宏樹さん、ワ田さん、裏方を手伝ってくれたtamazoさん、makes no senseさん、的野 峻一さん、そしてご来場してくださった皆様ありがとうございました。

今回の入場料やご寄付いただいたものは、経費を除いたほかはオーナーに還元しています。(微々たるものですが)

今後もこういったイベントの形にこだわらず、建築ファンにとっても、オーナーにとっても、よりよい形で建物を愛する機会を提供できればと思います。

打ち上げは近く「お好み焼 千代」にて。もっちもっちでした。

次回はまだ調整中ですが、関東にて実施予定です。
やりたい場所もやりたいこともたくさんあるので、これからもどうかお力添えいただけると幸いです。

それでは、またどこかの素敵な建築で。

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