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生き抜く力【ガンと闘う10歳の僕に起きた奇跡】

*当書籍販売における、売上金のすべては、難病の子供たちを支える支援団体「メイク・ア・ウィッシュ様」に寄付させていただきます。

★メイク・ア・ウィッシュは難病と闘う子どもたちの夢をかなえるボランティア団体です

https://www.mawj.org/about/executive-office/

寄付金額の公開も、noteにて行います。

なお、当noteの他、Brain(ブレイン)においても、同日の11月1日に発売開始致します。

■はじめに

私は、小学生三年生の夏、ガンになった。そのガンは、骨肉腫という骨の中にできるガンであった。私は、右足の付根に発症した。今から40年も前のことだが、当時の医療技術ではガンに侵された骨を摘出する手術が主であり、脚部に発症したケースでは、足を切断する。腕部の場合には、腕を切断する。つまりは、癌に侵された部位を切り取る手段が生き残る方法とされていた。私も例外ではなく、他の患者さんと同様の手術方法を説明されたが、拒否をすれば、命はなくなるため、選択の余地はなかった。事実上の、足の切断の宣告だった。しかし、現在の私には、両足とも健在だ。当時、数百万人に1人の割合で発症していたこの難病だが、生存者は三割程度と聞いており、生還することすら難しい病だったのだ。そんな難病をわずか10歳で発症してしまった私は、自分の置かれた状況を理解できず、周りで騒ぐ大人達の姿を見て、ようやく、事の重大さに気がついてきた。周りの大人達は、私に対して、「若いのに、可哀想ね。」と決まって発していた。その言葉や、私を見る表情が私を傷つけた。次第に、私は孤独感に埋もれ、押し潰されそうになってきた。

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