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驚異の大変身

 今日は、Netflixで最近配信された、平成モスラ三部作を全て鑑賞した。

 「ポケモンについて何か書こうとか言ってる矢先にモスラ観てんのかよ」とツッコマれそうだが、この三部作はそれぞれ、ポケモンのゲームの発売とテレビアニメの放送開始、第一作の劇場版が公開された年の冬に公開された作品である。
 1995年の冬に、最初のハリウッド版製作の事情から、「ゴジラVSデストロイア」でゴジラシリーズを一旦打ち切り、次の看板キャラクターとして、新たにモスラの単独映画を作ったのが始まりだとか。

 ご存知の方も多いだろうが、この三部作以降、同じく東宝が映画を配給しているポケモンやジブリなどのアニメ映画がとてつもないレベルで人気だったのか、その後にまた始まったゴジラシリーズ(いわゆるミレニアムシリーズ)があまりパッとしない作品ばかりだったせいなのか、子供たちの興味は特撮映画の怪獣から、テレビアニメの小さなモンスターに変わり、2016年の「シン・ゴジラ」まで、日本中で怪獣映画が大々的に持ちあげられることがなくなってしまったと言える。

 僕としては、この転換期の始まりにモスラが三本も作られたという事実には、何かしらの意味があるように感じる気がしてならない。
 だからこそ、この三部作を鑑賞しようと思い立ったのである。

 そんな感じで実際に鑑賞したのだが、最初のと「モスラ2」は川北監督が特撮を担当していることもあって、特撮のバトルシーンは申し分ないし、モスラや敵怪獣のデザインはなかなかかっこいい。
 それに、エリアスの皆さん(この作品における小美人と悪役のこと)の設定なんかは、個人的に二次創作的なことをするときなんかに使えば、面白いものが作れるのではと感じた。

 一方で、これは監督の個性なのか、制作上の都合なのか、はたまた僕自身の感性の問題であるのかはわからないが、人間ドラマの部分では、かなり独特のテンポというか、リズム感でお話が進むため、個人的にはあまり気持ちが乗りきれなかった。
 この三部作よりも古い、昭和の東宝特撮映画でも感じたことがなかった感覚だったので、初めて観たときは、少し戸惑った。

 しかし、その部分を差し引けば、かなり見応えのあるシーンばかりなので、モスラがカッコよく戦う姿や、かわいい仕草が気になる方にはお勧めしたい。

 そして、大怪獣からモンスターへ、子供たちが目を向き始める時代の空気というのを、この作品からも感じとってもらえれば、ポケモンがなぜ、今も愛される世界最強のコンテンツとして君臨する理由に、一歩近づけるかもしれない。

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