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美しい言葉を使うということ。

「美しい。」

 と、口に出すと周りから怪訝な目で見られることに気がついたのは、自分が手にしたグラスを棚に戻した瞬間だった。
あまりに綺麗な装飾の入ったグラスは、照明にかざすと万華鏡のように輝いて、それはそれは”美しい”ものだった。思わず漏れた声が予想以上に大きかったのか、周囲の人々の目線が痛い。

 私は、思った言葉をそのまま口に出す癖がある。
美しい、可愛らしい、可憐だ、などなど…。プラスに思う言葉は口に出したほうがいいと思うのだが、言われた相手は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、そんなことを言う人は初めて見たと困ったように笑う。そういうものだろうか?

「汚い」「気持ちが悪い」「気味が悪い」逆にこのような言葉は使わないように心がけている。
言われたら、言ったら、どこか自分にも悔いが残るような気がして。

「美しい。」「素晴らしい。」「綺麗。」「麗しい。」
それから、それから、「ワンダフル。」だとか「トレビアン。」だとか「いとをかし。」とか?
自身の感想を言う言葉に境界を齎さず、思ったまま美しい言葉を使いたいのだ。それが私のモットーでもある。


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